6話 ---試合準備---
「ルル兄。どこ行ってたの。もう試合が始まるよ。」
「済まぬ。少々野暮用でな、許せ。」
野暮用って何だろう?
まあいいや。
「ルル兄はルゼ姉とシア姉でチームを組んでね。」
「うむ。今年初めての遊戯がルゼと一緒なんぞ、よく解っているではないか。」
これでご機嫌になるなんて、相変わらずルル兄はちょろい。
「何か言ったか?」
「いえ。それより今回も王妃様の思い付き?」
「…うむ、そうで…ある。」
なんか歯切れが悪いな。
さっきの野暮用といい、何か隠しているものと見た。
とりあえず後で追及しよう。
「一応ルル兄とルミ姉のチームはシード枠に入ってもらいますから試合は後の方になりますが、ちゃんと準備しておいてくださいね。」
今は、ボールを触ったことがない騎士たちにボールの扱いのレクチャー中だ。
当家騎士でも、10分ほどでマスターしたから、すぐに試合に取り掛かれると思う。
対決はトーナメント制としたが、チーム数が2の乗数以外だと、シードの割り当て公式があったと記憶しているがどんな公式だったか覚えてないので、余った2チームをシードにしたら見た目バランスよくなった。
王子チームと女の子チームなんでシードにしても文句は出ないだろう。
後は各チームをくじ引きで割り振りしてゆく。
当家からは若手ばかりを選出した。
当家騎士は経験者ばかりだから上位者を出すと圧勝してしまうだろうが、新人君たちなら他家とはいい勝負になるのではないだろうか、との考えだ。




