3話 ---新年球技---
「ルルよ。王族としての大事な任務じゃぞ」
「父上、お任せください。我ならルーフィン家に出入りしていても不思議がられません。」
「うむ、頼んだぞ」
新年バレーボールの準備中、ルル兄が訪ねて来たのだ。
今年も参加するのかな。
「ヒロ!ハル!新年おめでとう。今年も我は参加するぞ。」
「王族の仕事はどうしたんですか。ルル兄は成人したんでしょう。兄殿下たちの補佐しないと。」
「いや今回は公務であるぞ。この後、母上と姫百合騎士団、それと他公爵家からも騎士団がバレーボールをしに来るのだ。お茶会以外で4大公爵の集まりなど我が居らねば国家転覆罪ものであるからな。」
王妃様がおられれば問題ないと思うのだが、そうもいかないらしい。
というか
聞いてないよ。そんな話!
前に王妃様に『新年バレーボール大会』の事を言ったとき『見てみたいわね』のつぶやきを実行に移したって事?
王妃様にも困ったもんだよ。
急遽予定変更!
「公爵家対抗。バレーボール大会を始めます。まずは王妃様。お願いします。」
「もう、ヒロちゃんったら。『ミレニーちゃん』って呼んでよ。」
いや、お茶会じゃないんだから。騎士さん皆、苦笑いしてるよ。
「新年おめでとうございます。今回はルーフィン家で行っている『バレーボール大会』というものが見てみたく集まってもらいました。これを機会に各家騎士団の親交が深まればと思っています。皆、初めて行う遊戯ですので戸惑いもあるでしょうが存分に体を動かし競い合ってください。」
「ありがとうございました。まずは当家による実演を始めたいと思います。」
まずは若手の騎士見習い3人のチームと、僕の専属のチームで戦ってもらおうか。
「ドコデ、モドアそれと…」
今デルは帰省中だ。そうなると騎士(見習い)に対抗できそうなのは、
「ベティお願いします。ベティは練習着を騎士姉さんから借りてください。」
「畏まりました、ヒロ様。」




