1話 ---制度改革---
1月の安息日。
貴族の登城参賀だが、今回は趣が違う。
昨年度までは、謁見の間に全貴族が膝まづき首を垂れた形式で始まったのだが、今年は皆、椅子に座っている。
「これより参賀式を始めます。一同!起立!…一同!礼! ゼフサージュ=ゼ―フィン陛下。おな~り」
進行役の声とともに貴族たちは起立し、陛下を迎える。
陛下が壇上に現れ、玉座に座られる。
「皆の者。新年、おめでとう」
「「「「「「「「「「ゼフサージュ=ゼ―フィン陛下。新年おめでとうございます。」」」」」」」」」」
「御直りください。一同!着席!」
進行役の声とともに式が進んでゆく。
さながら、学校の全校集会だ。
その後は、
「オルマイガ男爵」
「はい」
名前を呼ばれた者は、陛下の御前に出て膝まづく。
「ヌシの所では嫡男が生まれたそうだの。めでたきことだ。」
「私には、勿体なきお言葉にございます。陛下」
喜事のあった家が呼ばれて陛下より御声を賜る。
成人の日に御声を賜ってない家に限られるが。
そのおかげで、式は早く終わり、
「ゼフサージュ=ゼ―フィン陛下がご退場なさります。一同!起立!…一同!礼!」
陛下がご退場なさった後は、
「御直りください。これで参賀式は終了となります。皆さま。式へのご出席ありがとうございました。」
「ヒロ君から聞いていた『ゼンコウシュウカイ』だがの、あれを真似たら楽であったぞ。」
「あれ、やっちゃったんですか。不満とか出てませんよね。」
「その後のサロンでの噂話を集約してもらったが、好感触だったと報告を受けておる。」
「それならいいですけど。」




