11話 ---巨猪討伐---
「もう1頭出てきたぞー!」
「「こっちは私達に任せて!」」
今度対応するのはウルエル姉さん達だ。
「「私達を基準に2列縦隊。…軸線合わせ!よろし?」」
「OKです。」
最後尾の者がイノシシの進行方向と隊列方向があっている事を確認してくれる。
こちらでもイノシシは猪突猛進。走り出したらちょっとやそっとじゃ曲がらないのだ。
「スクラムロック!」
前列二人を全員で支えるように隊列を固定する。
「接敵までカウント開始。5」
「4 」
「 3」
「2 」
「「ゴッド!」」
「「ブレイク!!」」<どっごーん!!!!!>
今日の例の盾装備は破城槌仕様。
さらにに、ウル姉さんは普段から剣として使うため右手に装着しているため、ウル姉さんが左側、エル姉さんが右側だと、ほぼ同軸で2連のパイルバンカーが並ぶことになる。
結果、イノシシは頭蓋を砕かれ、その場で硬直した。
「なななんじゃあの技は?」
御爺様が驚いている。
そりゃ、一般騎士が20人で止めたイノシシを、10人で止めるだけでなく止めまで刺したのだから。
「うちの土属性騎士専用盾、『ゴッドブロック』じゃよ。」
「師匠。お帰りなさい。」
《空歩》で師匠が帰ってきた。
師匠は空から俯瞰で状況を確認していたのだった。
「閣下。もしかしてあれはアーティファクト級の武器なのですか?」
「ナニ。元は蚤の市に出ていたオモチャじゃよ。それを、使える武器にしていったのはあ奴らの努力の賜物じゃて。」
うん、確かにあの盾展開が出来るようになったのは、僕のアニメ知識をウル姉さんが頑張って再現してくれた結果だ。
「そんな事より騎士どもを集めた方が良いぞ。もうじき熊がこちらへやって来る。」




