7話 ---閣下部屋---
<トントン>
「はい。…御屋形様!」
「ライヤーン閣下はおられるかな。」
「少々お待ちください。」
夕食にお誘いしたのだが、
「儂は他の騎士どもと気楽に飯を食う方がよい。そうさせてくれ。」
と断られたのであった。
しかし部屋は、曾孫たちの提案に従って下さったのだ。
一人、侍女をつけさせ休んでいただいている。
食事も終わり、一段落ついたところで、閣下の部屋を訪ねたのだった。
「どうぞ、中へお入り下さい。」
「ライヤーン閣下。改めて、お久しぶりでございます。」
「ローザントよ、久しいのう。」
「まさか閣下においでいただくとは思いもよりませんでした。」
「なに、弟子たちの鍛錬ついでに付いて来ただけじゃ。そうじゃの。座って少し酒に付き合わんか。」
と、テーブルに出された酒は『アイスワイン』?
「済まぬがグラスを2つ持ってきてくれぬか。」
「畏まりました。」
侍女はグラスを持ってきて酒を注いでくれる。
「後は爺同士の語らいの場じゃ。お前さんは休んでいいぞ。」
「いえそういうわけには参りません。」
それはそうじゃ。侍女というもの部屋の主より先に休むなど…
「控室にある『ガボンプリン』を片付けてもらおうと思ったんじゃが…」
「はい!わかりました!失礼いたします!」
…
「フィロルウェインに言わすと『甘味は正義』だそうじゃ。」
「…なるほど…言い得て妙ですな。」




