4話 ---検証終了---
「『雷』は雷が作れます。操術が非常に難しく習熟には専門の魔法師の元での修行が必要です。」
『雷』は空気中を進む電子の事だ。(実際には電子と空気分子の衝突光)つまりこの属性は電子を作れることになる。
ただ電子自身を放出すると、すぐに空気分子にぶつかってしまいまっすぐ飛ばない。
例えて言うならビリヤードの玉だろうか。
一応は陽極に向かって進むので、的を陽極化しておけば当たるが、そんなことができるなら、的を直接帯電+放電させればよい。
一番いいのは進路の真空化なのだがそうなると『雷』ではなく『電子ビーム』になってしまう。
いいなぁ『ビーム』。ロマンだね。
そもそも、電子というのは厄介で、捕まえるとそこにいるのだが、捕まえておかないとどこにいるのかわからない。(確率存在でしかない)
そのくせスピードは光並み。まあ難しいわね。
「『心』は心を操ります。禁忌に触れる部分もありますので習熟には専門の魔法師の元での修行が必要です。」
精神魔法ならやはり、禁忌魔法に分類されるか。
この属性だと国家監察下決定だろうな。
「『闇』は闇が作れます。闇への理解が非常に難しいので習熟には専門の魔法師の元での修行が必要です。」
この説明じゃわからん。
『影魔法』『黒魔法』=『空間魔法』の分類もあるがその流れだろうか。
『闇』ならば『光のない場所』だが『空間』となると4次元的な見方が必要となる。
『光すら吸い込む』となるとブラックホール『重力魔法』ということになる。
ここの文化レベルでは理解は難しいだろう。
「『光』は光が作れ、それを操ります。単なる光源です。」
……おい!なんじゃそりゃ?
僕の属性(推定)がそんなしょぼい説明で終わり?
この本は僕(の属性)に恨みでもあるのか?
光とは単に『光っている』だけだと「単なる光源」となるであろう。
しかし、今見えている事象も『光』が目に入って視細胞を刺激した結果である。
また、目に見えなくとも、紫外線、赤外線はそこかしこに飛び交っている。
これらを操れるということは、結構汎用性あるんでないかな?
光は『可視光』⇒『赤外線』⇒『遠赤外線』⇒『マイクロ波』とシームレスに変わる。
ただ周波数で線引きしているだけで『光』=『電磁波』に境目はない。
僕が魔法焜炉を『理解』出来たのもそのせいだと考えている。
この本だけでなく、もっと情報が必要だ。
「この『赤の書』は『火』の初歩魔法を学ぶものです。与えられた『火』属性に神への感謝の元、学んでいきましょう。」
ダメ押しのごとく『神』をもってくるとは。
まあ当然か。出版元が「ミカシフェル教会総本部」となっていた。




