2話 ---新技披露---
「では、一戦交えようかの。」
さらにおまけに師匠もついてきた。
「おまけとは何じゃ。おまけとは。こんな、か弱き爺をいたわる気持ちがないのかのう。」
「どこがか弱いんですか?こんな所で平然と立っている事自身、おかしいでしょう。」
今は馬車屋根の上だ。
さすがに3人では狭いので、前に師匠。後ろに僕とハルと2台に分けての対戦だが、馬車間約20m。ちょっと遠すぎやしませんか?
「100シャックン程度、遠くはないが…のっ!」<ガキン!><><ガキン!><ブゥン!>
師匠が一瞬で接敵し僕らに切りつけてきた。
咄嗟に剣でガードし切り付けるが躱されてしまった。
(ちなみに僕の剣は緑魔力で覆ているので風切り音は出ません。)
師匠はすでに元の位置だ。
「ヒロ兄ならともかくボクじゃあの距離は飛べないよ。」
僕はともかくハルじゃ防戦一方だな。
今回はそれ中心の鍛錬なのだろうけど…そうだ。
「ハル。あれをやってみよう。僕がサポートするから。」
「ヒロ兄が?。うんやってみる。」
「うむ、何をするんじゃ?」
師匠に黙ってハルに特訓させていた技をここで披露しよう。
「ファイヤーチューブ!セットオン!」
師匠まで、赤魔力で満たされた空間を伸ばし、
「ハル!セットレディ!」「ごー!」
ハルはその空間を高速移動し師匠に切りつけていく。
<キン!キン!ガキン!>
「何じゃこの速さは!」
対応はされてしまっているが技としては成功だ。
「ハル!戻れ。」「おーけー!」
さすがにこの状態を長時間保持するのはきつい。
集中が切れる前に呼び戻したのだった。
「ほほう、やるのう。最初は馬車上の対人戦闘を見るだけのつもりじゃったが、ハルもこちらまで移動できるのならその技の習熟に力をいれるかの。」




