3話 ---属性検証---
「『火』は炎が作れ、それを操ります。身体強化では筋力増加と相性がいいです」
炎自身は、気体の燃焼反応であり、『もの』ではない。これを『もの』として扱うことに無理がある。
『炎』という物体を作り出しているのか?『発火気体』を作り出し酸素と化合させているのか?
しかしその『炎』を『もの』として操る事ができるらしい。
筋力増加もテンプレではあるが、筋肉の収縮に火は関係はない。ATPによる分子反応である。
確かにATP生成のため、『糖を分解し酸素と反応させる』という燃焼反応と同様の事はしているが、それを行ったからと言って筋力が増えるわけではない。
魔力による筋細胞の変異、強化と考えるほうがしっくりくる。また骨、関節も強化しないと増加筋力で自壊してしまう。
「『水』は水を操ります。創術も使えますが少量しか発生しません。身体強化では治癒力強化と相性がいいです」
『少量しか発生しません』魔力から作り出すのか、空気中の水蒸気を集めるのか、それとも『空気』を『水』に変換するのか?
質量保存則らしきものは存在するようではある。
治癒力強化というが、『水』をどのように作用させるのだろう。
確かに超純水で傷口を洗い流せば雑菌繁殖は防げるだろうし、もう一歩踏み込んで過酸化水素水まで生成できれば消毒にもなる。
血液を『水』と認識し血流を調整すればある程度の回復は見込めるだろうが本来の『治癒力』は細胞再生力と免疫力の複合結果である。
つまりは魔力により細胞分裂を促し、免疫細胞を強化する。という考えに至る。
「『風』は風が作れ、それを操ります。身体強化では速力強化と相性がいいです」
『風を作る』というのは単に空気を移動する操術でしかない。
『風』が水中、地中でも作れるならば創術であろうがそうなるとこの属性は『風』でなく『気』となる。
速力強化。前出の筋力増加があれば速力は自然と上がるがそういうことではないのだろう。
追い風効果ならば速度は上がるがそれを身体強化とは言わない
この場合の速力とは反応速度の事であろうか?
そうなると筋肉の緊張+弛緩速度、神経の伝達速度の強化。つまりは筋細胞強化+神経細胞強化ということになる
「『土』は土を操ります。この属性は創術が使えませんが、石なども操作対象とされます。身体強化では防御力強化と相性がいいです」
『この属性は創術が使えません』土ほどの質量は作れないと見える。
石が『土』に含まれるのは解るが同時に『水』も含まれているはずである。この場合の解釈はどうなっているのだろう。
防御力強化ならば、表皮の強化となるのだろうがそう簡単にもならない。表皮細胞の強化だけでは不十分である。
その下の筋肉、骨、関節の総合強化が必要なのだ。『火』と内容が被るぞ。
古代四大元素に従った分類なのだろうが、現代科学に染まった『俺』にしてみれば
『熱』『液』『気』『固』
と分類されたほうが解りやすい。
『モノ』という概念からは外れるが、この概念で魔法を操れないか実験してみたいな。
『電磁波』=『光』で理解できたのだからおそらく可能だろう。
義弟の属性を魔改造するのも悪くない。
いやいや、義弟をモルモットにするわけではないぞ。義弟を強化してあげるのだ。
身体強化に至っては、単に魔力強化する細胞が異なるだけだ。前の分類はあくまでもイメージであり、イメージ無視して、概念で扱うとどの強化も思いのままとなる。
あくまでも僕の推論である。
実際には『魔法』を見て、解析する事が必須だ。
『俺』のプロフ
名:古田博文
性:男
年:享年23歳
学:某理科大卒
趣:科学、医学、アニメ、ラノベ、工作・料理など作る事全般
尊:父、母、藤岡弘、宮内洋、柳田理科雄、長谷川裕一




