9話 ---小手調べ---
まずは小手調べとばかり、団の子らはそれぞれに切りかかってゆくが…固い。
防御強化はかなりのものだ。
<キン!ガッ!>「あっ!」
ファルシオン殿は強引に剣を弾き飛ばし、胴を切ってゆく。
『ほんとに幼子か?』と思わせるパワーだ。
フィロルウェイン殿は……緑魔力?
「きゃっ!」「いやん!」「あん!」
速度強化術で団の子らの間を駆け抜け私に迫ってくる。
それもすれ違いざまに彼女らの尻を触ってだ。
私はとっさに剣で防御した。
<ガキンッ!>
彼は私の防御に合わせ、剣を持つ方の手で切りかかってきたのだ。
ナント素早い反応だ!
「フィロルウェイン殿。少々おいたが過ぎるのでは?」
可愛い顔をしていながら尻を触るなど、とんだエロ餓鬼だ
「いえいえ。これが当騎士団の流儀ですので、了承していただきたいのですが。」
何を言うかと思えば『流儀』等と…ふざけている。
「「「団長!私たちの仇を取ってください。」」」
<キン!キン!ザッ!ガキン!キーン!>
しかし…
腕は確かなものだ。
私の剣戟についてきている。
「フィロルウェイン殿もライヤーン将軍から剣の手ほどきを受けているのでしょう、ならば私の弟弟子ですね。」
「そうですか。道理で剣筋が師匠に似ているはずですね。お名前をうかがっても?」
「姫百合騎士団団長イルミナス=ラウトという。」
「そうですか。それでしたら『ルミ姉さん』とでもお呼びすればいいですか?」
という会話を剣戟の最中にするぐらい余裕のようだ。




