7話 ---新入団員---
当騎士団に新入団員が入りました。
「バッヘン家より参りましたエドルーゼ=バッヘンです。成人直後の若輩者ですので、ご指導よろしくお願いします。」
王妃様の推挙での入団だが、話ではルーシフェル殿下といい仲らしい。
妃殿下目的の箔付けならお帰り願いたいところだ。
「私は団長のイルミナスだ。まずは腕が見たい。そうだな、セルフィン。相手を頼む。」
「はい団長。」
私もそうだが彼女も風属性だ。纏ってる気で判る。
それならばと同じ風属性の騎士を当ててみたのだが…
「…まいりました。」
圧倒的…とまでは言わないが、相当な実力を持っている。
それに所々、『無敗将軍』の色が見えた。
これは私直々に確かめねば。
「連続で悪いが、私とも手合わせ願えないか?」
「はい、お願いします。」
うむ、速い!
これでは団員の誰も勝てないであろう。
基本の型は、騎士のそれに準ずるが、やはり将軍の色が見える。
「其方の剣。誰に習ったものかな?」
「幼き頃、今は亡き実父に習ったものにございます。」
「しかしそこまでの腕に昇華するには、どこかで修練を積まねばたどり着けまい。」
「はい。先日までルーフィン公爵家騎士団に場を借りて修練しておりました。」
『ルーフィン家騎士団』…やはりライヤーン将軍の元であったか。
なんとも羨ま…もとい。この腕も納得いく。
私は距離を置き剣を収めた。
「試すような真似をしてすまなかった。エドルーゼ。我が姫百合騎士団は其方の入団を歓迎する。」
「…といった次第です。ミレニアム王妃様」
私は、エドルーゼと団員との腕の差を、王妃様に報告した。
「それは由々しき事態ですね。やはり団内のみの鍛錬では成長に限界があるようですわね。」




