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6話 ---愚直反復---
まさか、あのおじいさんが『無敗将軍』様だなんて。
雲の上の人だったとは…
全然気づかなかった。
退役後はルーフィン公爵家へ召し抱えらると聞いています。
ルーフィン家とは、父の政務派閥とも、母のお茶会派閥でも縁がありません。
また、一騎士の私では会いに行っても門前払いでしょう。
それよりも…
『無敗将軍』様の手ほどきを受けていたのです。
私は、それに恥ずかしくない腕であらねばなりません。
幸いなことに、『無敗将軍』様の型、技は全て記憶しています。
後は、その記憶を元に剣を振るうだけです。
ただ、一途に。
気が付けば…
騎士団長になってました。




