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5話 ---奥義手本---
今日のおじいさんは、式典用の軍服を着ていた。
そういえば今日は無敗将軍様の退役式だっけ。
無敗将軍様ってどういう方なんだろう。
すごいお方とは聞いているけど、戦歴の噂ばかりでその風体に関しては一つも耳に入ってこない。
団長も式典用の制服着てたけど、下っ端の私は今日も自己鍛錬中だ
「お嬢ちゃんも、もう立派な騎士じゃのう。では最後にとっておきをみせるかのう。」
「おじいさん。最後って?」
「良いか、よく見ておけよ。」
おじいさんが一瞬、風になった。
すごい速さだ。
「さらに!」
今度は3人になり、立っていた樹に切りつけていた。
「どうじゃな。今のが速度強化術奥義と究極奥義じゃ。儂が見せれるのはここまで。後は自己研鑽あるのみじゃて。」
「おじいさん、それって…」
問質そうとしていると、
「ライヤーン将軍。こちらにおられましたか。さあ早くしてください。式典が始まります。」
えっ
「おじいさんって『無敗将軍』様だったの!」
「将軍。早くしてください。」
「判った判った。そう急かすでない。お嬢ちゃん。精進、怠るでないぞ。かーかっかっかっ!」




