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3話 ---応戦義弟---
ボクにはヒロ兄みたいな速さはないが、力なら負けないつもりだ。
<キン!ガッ!>「あっ!」
だから騎士のお姉さんの剣を強引に弾き、横を駆け抜けながら胴を切る。
『胴を切る』と言っても模擬剣では切れないので、鎧に当たった時点で手首の力を抜きその横を駆け抜けていくのだ。
これは、ヒロ兄に教えてもらったやり方で、いかにも『駆け抜けて切った』感じが出て『かっこいい』からだ。
<キン!ガッ!>「うっ!」
<キン!ガッ!>「えっ!」
<キン!ガッ!>「おっ!」
4人ほど相手した後だろうか。
「きゃっ!」「いやん!」「あん!」
ヒロ兄が速度強化術を使った様だ。
そこへ
<ガキンッ!>
ヒロ兄の速さに付いていける人がいた。
どうやら団長さんらしい。
えっと…ルゼ姉はルル兄と対戦中だな。
となると後はこの団長さんだけなので、ヒロ兄との剣捌きを勉強させてもらおう。




