2話 ---侍従見習---
ヒロ様が構えられると、ヒロ様は白魔力を体中に循環させ始めた。
あれは筋力強化術だ。
ヒロ様の元で働かせていただいている中、ヒロ様から魔力についていろいろ教えていただいた。
それと同時に、魔力に関する技能も上がっていった。
今では、ヒロ様の纏われる魔力の状態を感じられるようになった。
それも白だけでなく、他の魔力色もだ。
「やはり光属性は万能性があるようですね。」
とはヒロ様の談だ。
魔力色の変換についてはまず先に赤魔力への変え方を教えていただいたのだが……無理でした。
「もうあと一歩なんですがね……こちらは追々頑張ってもらうとして、先に『炎』を作ってみましょう。」
えっ?赤魔力も使えないのにどうやって…?
「こうするんですよ。」
ヒロ様の手元に揺らめくように白魔力が集まっています。
「ここでこう念じるんですよ『炎の様に光れ』と。」
途端にヒロ様の手元に炎が。
「『炎』なんてものは熱い以外は赤く揺らめいてるだけですからね。光魔法でもごまかせます。さぁやってみなさい。」
先ほどのヒロ様の魔力操作をまねてやってみる。
魔力が形作られれば、念じてみる。
『炎の様に光れ』
出来た。のですが…白い炎です。失敗です。
「色以外は良い出来ですよ。この調子で練習して、赤い炎にしてみてください。」
今は毎日、仕事の合間に時間をいただいて練習をしている。
ヒロ様は今、黄魔力を纏い防御をあげられているようだが…
緑魔力に切り替えらっれたとたん、騎士の方々の間を駆け抜けた。速度強化術だ。
「きゃっ!」「いやん!」「あん!」
さすがに他の騎士団の手前、ヒロ様お得意の『クロックアップ』は使われていないが、それでも素早い。
ヒロ様は皆の尻を叩かれていった。
<ガキンッ!>
いや、一人だけヒロ様のスピードに対応できる者がいた。
あの魔力、風属性か。
「フィロルウェイン殿。少々おいたが過ぎるのでは?」
「いえいえ。これが当騎士団の流儀ですので、了承していただきたいのですが。」
「「「団長!私たちの仇を取ってください。」」」
どうやら姫百合騎士団の団長さんのようだ。
「フィロルウェイン殿もライヤーン将軍から剣の手ほどきを受けているのでしょうならば私の弟弟子ですね。」
「そうですか。道理で剣筋が師匠に似ているはずですね。お名前をうかがっても?」
「姫百合騎士団団長イルミナス=ラウトという。」
「そうですか。それでしたら『ルミ姉さん』とでもお呼びすればいいですか?」
書面にすれば何気ない会話だが、実際は何合も打ち合ってる中での会話だ。




