6話 ---派閥主家---
「貴女方が相談に来ていただいたおかげで、イプス様との顔つなぎが出来ましたわ。礼をを言います。」
「そんなもったいないおことば。」
「フィロルウェイン様にもアクセサリー製作の許可ももらえましたしね。」
真珠とブローチは気になってましたが、「お抱え」の職人を紹介してもらうなど、いかに難しい事か。
ミレニアム王妃様がその職人をお茶会に呼んでくださった事は誠に僥倖でした。
『王妃様、私の所の子が、そのイヤリングを作った職人に興味を示されてまして…』
なんでも言ってみるものですわねぇ。
「でも最近のお茶会で、いろいろな趣向が増えましたのも、王族お茶会が発信元だったのですね。」
「いえ。元はというとルーフィン家の派閥で始められたものですよ。それをミレニアム王妃様の意向で私達が体験し各々の派閥で工夫していった結果ですわ。」
あのお茶会以降、私たちのお茶会でも色々と趣向を変えたお茶会を企画してみましたけども…
「そうだったんですね。でも衝撃的でした。あの『貴公子給仕』は。」
「そうでしょう。あれはルーフィン家でしか受けれません。」
「何故でしょう。洗礼前の子弟を持つ家なら何家かございますが。」
「その洗礼前の子供にあんな給仕ができますの?」
「…少々無理がありますわね。」
「フィロルウェイン様は5歳になられたばかりでファルシオン様やエイル―シェル様はまだ4歳ですよ。聞けばフィロルウェイン様・ファルシオン様は3歳ですでにこの趣向に参加していたと聞きます。」
「そんなに前から…ですの。」
「おそらくはフィロルウェイン様自身が他の子を御指導なされたと思われます。フィロルウェイン様はそれほど聡い御子なのですよ。」
前の秘伝甘味での一悶着以降は 食材について相談したりされたりと、良好な関係であると思います。
「私のアクセサリーが出来た時には、貴女方の事も話してみますね。他の公爵家には私の方から話を入れておきます。お友達と御一緒に御家を訪ねられるようお願いしてみましょう。」
「よ、よろしくお願いします。」
私が公爵家に嫁いでからあの子たちとは疎遠になってしまったけど、どうしているかしら?
この子らの様に、派閥が違っても仲良くしておくべきだったかしら。
久しぶりに連絡を取ってみましょう。
また仲良くお茶会が出来るといいんですけど。
他2家でも同じような話がなされていたとか…




