2話 ---報告考察---
「…といった次第でございます。アマリアーヌ様」
「解りました。下がっていいですよ。あっ。ファルシオンが起きたらこちらへ連れてくるように」
「かしこまりました。」
憎しアルフィーニめ。死してなお御当主様の心を奪い、忘れ形見は我は息子まで魅了するとは。
なぜでしょう。あの時、アヤツの命運は尽きたはずなのですが。
生き返るとは、どんなカラクリがあったのでしょうか?
…また『闇』に依頼せねばなりませんか。
後2年半、それまでに『光』とも渡りをつけておかねばなりませんねぇ。
しかし、妾でもなかなか御せぬ息子を、いとも簡単に手懐けるとは。少し対応を変えねばなりませんか。
その要因の一つがこの甘味ですか。
どうせ、子供だましだろうと思ってはみたのですが、噂では御当主様をも魅了していると聞いいています。
この真贋。わが舌で見極めてあげましょう。
幸い、5個(あれ?)あるから、今、一つ食べても問題ありませんね。
話では皿に落とすと聞いていましたが、そのままでも味は変りないでしょう。
スプーンを入れる[プルン]「やわらかいですね」
スプーンを出す[プルン]「なんと面妖な」
口に入れる[プルン]
…
…
…
何なのこれー!?
プルプルのトロトロー!!!
美味しすぎるー!!!
ヤダー!!!
♡♡♡お抱えパティシエにしたいー♡♡♡
…
…
…
っと。キャラが崩れてしまいました。
何ですの、これは?
この破壊力。
アヤツ、妾をも魅了する気ですか。
『排除』でなく『懐柔』を考えねばなりませんねぇ。
妾が魅了される前に。




