3話 ---臨戦態勢---
「イリスフェン=レインと言います。まだ見習いの身ではありますが。よろしくお願いします。」
姉がドジッ娘属性なら、妹はツンデレ属性か?そんな印象だ。
「この部屋の主のフィロルウェイン=ルーフィンです。今日からあなたはこの部屋付きの見習いです。見習いなのでまだ専属にはできませんが、仕事上は専属として扱います。よろしいですね。」
「なな、なんでこんなさ(モゴモゴ…)」(なんでこんな三歳児が流暢に喋れるの~!)
彼女は後ろから姉の谷間に頭を挟まれ口を押さえられていた。
ああっ僕も谷間に挟まれたい。じゃなくて、ナイスフォローです。アリス。
「今、何か、聞こえたようですが…気のせいですか。」
こんな事で声を張り上げてたら侍女失格だよ。ラーヤには頑張って『教育』してもらわないと。
「僕のの事は『坊ちゃま』ではなく、『ヒロ』と呼んでください。彼女の呼び名は『イリス』でよかったですか?アリス。」
「はい、ヒロ様。私共もそう呼んでいるので問題ありません。」
名前が分かった時点から皆を愛称で呼んでいる。
アリス、ベティ、ガーリィにドコデ、モドア
逆に僕の事は『ヒロ』と呼ぶよう言いつけている。
しかし、さっきの様子だと彼女。『ヒロ』と呼び捨てしかねないな。
ふとラーヤと目が合う。
(大丈夫です。私がしっかり『教育』いたします。)
と、目が語っていた。
「午後には、弟のファルシオンが来ます。いつも綺麗にしていただいてるのは解っていますが念のため部屋の掃除をお願いします。それと、壊れてはまずいものは片付けておいてください。」
昨日の様子から分かるように弟は乱暴者だ。結構甘やかされて育ったらしい。ここはひとつ『お兄ちゃん』が教育してあげますか。
ちょっと、絵本の『仕込み』しておこうか。
「モドア、アリス。ちょっとこちらへ来てください。」
「「ヒロ様、何でございましょうか?」」




