3話 ---侍女A転---
どうやら坊ちゃまはデザートを試作しているらしい。失敗作でもご相伴にあずかれないかな?
と思っていたら、試食役キター!
でも、坊ちゃまと同じテーブルに着くなど恐れ多い。
『甘味の誘惑』と『侍女矜持』で揺れ動く中、バーバラーヤ様に「お役目です」と説得された。
うん、『お役目』なら仕方ないよネ。主のお世話をするのが侍女の役目。主が試食を希望されているのなら叶えねば。
1品目
ナニコレ?甘い!美味しい!プルプル!こんなの初めて~!
でも坊ちゃまはちょっと渋い顔。
2品目。侍従君も加わっての試食
さっきより滑らか! もっと美味しい~! 味は同じなのに食感でこうも違うの~!
えっ3品目? さっきので完成じゃないの?
お皿にプルン!
ヤダ~!かわいい~!
上から茶色いソースが垂れた姿は「山」そのもの。
一つの芸術作品に見える。
皿を取る。[プルン]
スプーンを入れる。[プルン]
スプーンを口に運ぶ。[プルン]
スプーンを口に入れる。[プルン]
…
「「「「おいしい~~!!!!」」」」
このデザート、名は「プリン」
『名は体を表す』と言いますが、まさしくそれ。どんぴしゃりです。
残った材料で大量に作られるプリン。誰の口に入るんだろう?
もっと食べたいな~。




