2話 ---侍女A承---
夢を見るのはこれくらいにして、今日もお仕事に励みますか。
仕事も一段落し、控室で先輩方とだべっているとそこへ、坊ちゃまがいらっしゃったのです。
びっくりです。控室に部屋の主が出向く等、何か失態やらかした?と思ってしまいます。
どうやら簡易厨房設備の確認のようです。
3歳児が、ぴょこぴょこ動く姿はかわいいですね。
坊ちゃまは、魔法焜炉に食いつきました。
私共には当たり前の魔導具なんですが、坊ちゃまはことのほか気に入った様子です。
動作を一生懸命観察しています。かわいいです。
大量の食材が運び込まれました。と思ったら、坊ちゃまは私のカップを御所望されました。私の飲みかけカップです。
3歳で『侍女の飲みかけペロペロ』なんて変態さんじゃないだろうし……あっ、カップがたくさん欲しいのか。
坊ちゃまに失礼にならないように、豪華なカップに手を伸ばしたところ
「いえいえ、僕の欲しいのは豪華なカップではなく、純白のカップです。そう、貴女の心のような色の。」
えっ?
私。口説かれた?
見た目3歳だけど、妙に実感のあるセリフ。
えっえっえっ
私、3歳児の『お手つき』になっちゃうの~~~!?
坊ちゃまがバーバラーヤ様に叱られている。
さっきのは貴族特有の『お戯れ』というものらしい。
も~、お姉さんドキドキしちゃったよ~。




