11話 ---侍女事情---
気を取り直して
「ほかに推薦等、ないですか?」
恐る恐る侍女Aが手を挙げる。
「どうぞ」
「あのぉ、アリスルート=レインと言います。専属のお話、大変うれしく思います。出来ましたら、今見習い中の妹も、専属にしていただけたら……」
使用人が聞かれもしていないのに、自分から名乗っちゃいけないよ。
…
「っ。誠に不躾な件!失礼しました!。今の言!取り消しますッ!忘れましゅ!」あっ噛んだ。
彼女は慌てていた。慌てているその態度も失礼と思うが……
苗字を持ち、妹も一緒に居るということは…
使用人は何も孤児ばかりではない。代々家に仕えている者もいる。
代々、仕えていても所詮は使用人。役に立たなければ即解雇となる。
故に親は子を見習いとして雇ってもらい技術を叩き込んでいく。
彼女の父母も当家に仕えていて数年前に亡くなったそうだ。その時にすでに彼女は侍女として働いてたので妹も孤児とならずに済んでいる。
(この世界では15歳で成人だが、それ以下でも職に就いてれば成人とみなされる)
妹は、今年いっぱいで見習い期間終了(12歳)だそうだ。
「妹さんも専属にするのは構いませんが、ラーヤ。問題は?」
「見習いは専属にすることはできませんが、こちらで引き取る事は可能です。残りの期間は私が面倒を見ます。専属予定として御当主様に話を通しておけば大丈夫と思います。」
なんか、ラーヤが燃えている。半年ほどだが、妹さん。ラーヤのスパルタに耐えれるか?
「ということです。アリスルート。聞きましたか?」
「あ、ありがとうございましゅ!」また噛んだ。




