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8話 ---実験開始---
自宅用電子レンジなら、加熱にムラがあるので湯煎式にするのだが、この魔法焜炉は性能よさそうだな。直接行ってみよう。
焜炉に6カップを並べて。
「ラーヤ。10数えたら止めてみて」
「はい」
加熱開始
「い~ち、に~い、さ~ん、し~い、ご~お、ろ~く、し~ち」
ボコッ「ラーヤ!止めて!」
カップの中身が一つ爆ぜた。
爆ぜたといっても周りには飛び散らず、焜炉上だけに留まっていたが。
掃除をしてもらい、残った5カップは水桶につけて冷やしておく。
本当は氷室を使いたいが、試作のため今回は水で粗熱を取るだけにする。
「次は5で止めて下さい」
出来たものを水桶につけて冷やす。
「次は3で」
固まっていない。
「今のを再度、3、温めてください」
固まった。これも、水桶につけて冷やす。
と、ちょうどそこへ侍従君が戻ってくる。頼んだものが完成したようだ。
ちょっとまだ熱いが、味を確認。ん、甘苦い。初めてにしては上出来。




