4話 ---顛末尋問---
「殿下が当家で休憩を御所望されたので、新たにできた『茶室』にて僕がおもてなしをしました。
≪中略≫
王族が訪ねて来られているのに集まっている貴族が挨拶しないのは不敬にあたると思い、茶会の場に案内しました。」
現在フィロルウェインに詰問、いえ尋問中です。
「何ですその≪中略≫は?略しすぎです。それでは何もわからないではないですか。」
「だって、≪中略≫を詳しく話すと、義母上、気絶しちゃいますよ。いいんですか?」
「知らねばなりません。他家の御夫人方から真相を追及されているのです。」
「父上への報告書の写しありますか?…これですか。……正確に、それも解りやすく書いてありますね。これなら父上も陛下への報告ができてると思います。執事長、ドコデ、モドア、ありがとうございました。義母上、読まれます?」
「寄越しなさい。………」
詭弁まがいの言動? 〈クラッ〉
威圧をした? 〈クラクラッ〉
挑発をした? 〈クラクラクラッ〉
2度も『断る!』? 〈サーーーーー…〉
…
…
…何とか気絶するのを耐えました。
王族にこれだけの事をして、良く御取潰しつぶしにならなかったものです。
「最初はですね、けちょんけちょんに潰してやろうと思ってました。」
なんて物騒な。ってゆうか反逆罪になりますよ。
「だってせっかく義母上が楽しんでいるお茶会を台無しにしようとしたんですよ。そんな輩は万死に値します。」
嬉しい事を言ってくれますね。
でも、そんな妾の寿命を縮めているのは、フィロルウェイン。ほかならぬ其方なのですよ。
「それにアリスがお手つきにされるの嫌ですし。」
それには妾も、激しく同意しますわ。
「で、茶室でおもてなししているうちに『こいつ、以外と話が分かる奴かもしれない』と思い初めまして」
そこは『殿下は実は聡明な方なのでは』と言葉を濁すものですよ。
「やっぱり茶室はいいですね。落ち着いて話ができます。」
報告書を見る限り、殺気あふれる一触即発の雰囲気が読み取れますが。
「で、本音で語り合った結果、殿下より気に入られて友誼を交わしたということです。話の分かる方でよかったです。肉体言語を使われたらどうしようかと思いました。」
それでも其方は勝つでしょう?




