7話 ---脱線修正---
んとっ、目的はデザート作りなので今はラーヤには従っておこう。
魔法焜炉=電子レンジなら問題無いかな?
「ラーヤ。魔法焜炉は動作中に止めることはできますか?」
「魔力供給をやめれば止まるかと思います。」
「OKです。試作材料を確保しましょう。」
ラーヤは侍従を呼んでくれた。
「卵6個、その倍の重さの乳、卵2個分の重さの砂糖をお願いします。後、目の細かいざる、ボウル、桶、かき混ぜる道具かスプーン、をこちらに運んで下さい。」
侍従は、メモを取り退出する。ん? ちょっと顔が引きつっていたな。
少しして、材料が届いた。
…
…
…なんて言ったらいいのかな? ……すごく、多いです。
確かに「卵6個」なのですが、卵の大きさがね、思ってたのより1.5倍なのです。
「なーんだ5割増しか」と思ったそこのあなた。大きさが5割増しということは容量はその3乗。3倍強ですよ。
赤い角付き以上なんですよ。
仕方がない。今日は試作だけのつもりだったが、本チャンまで作ってしまおう。
「厨房長にこれから渡すレシピ通りのものを作らせてこちらに運んでください。」
あらかじめ用意したレシピメモを侍従に渡す。作成に少々危険が伴うので厨房で作ってもらおう。
さ~てやりますか。と言っても実際にするのはラーヤ達ですが。
卵2個割ってかき混ぜる。さらに材料を混ぜて、ざるで裏ごし。
で、型は紅茶カップで…ヤバイな。装飾に金属が使われている。使えない。
ふと、見回すと侍女たちの飲んでたカップ。白無垢だ。
「そこのカップ貸してもらえませんか。出来れば同じ型のを複数」
侍女Aは言われた通り、飲みかけのカップに手をかけたが、ハッと思い直して棚から豪華なカップを出そうとした。
装飾のないカップは失礼に当たると思たんだろうか?
「いえいえ、僕の欲しいのは豪華なカップではなく、純白のカップです。そう、貴女の心のような色の。」
スコケマシトーク炸裂である。
彼女は真赤になりながらも、白カップを用意してくれた。
「ヒロ様。『お戯れ』もほどほどになさって下さい。」
ラーヤに叱られた。




