1話 ---貴婦後談---
「いきなりルーシフェル殿下がいらっしゃるなんて。」
「でも、いつもと御様子が違われたわね。」
「『御成長なされた』という事でしょうか。喜ばしい事です。」
「フィロルウェイン様と仲がよろしかったご様子。」
「そうですわ。本来、不敬に当たる態度を取っても咎められていませんでしたもの。」
「『ルル兄』『ヒロ』なんて、旧来の友のような愛称で呼びあってましたし。」
「「「「「そこのところどうなのです?アマリ様?」」」」」
「わ、妾に聞かれましても…ルーシフェル殿下とフィロルウェインには、今まで何の接点も無かったはずですわ。」
〈〈〈〈〈ジーーーーーー〉〉〉〉〉
「皆さま、そ…そんなジト目しません事よ。そ…そんな目をされてますと、め…目じりに皺が寄ってしまいますわよ。」
「あらイケナイ。私としたことが。」
「そうですわね。でもこのようなやり取り。貴族院時代を思い出しますわ。」
「御姉様方の頃もそうでしたの?」
「そうですよ、恋バナに一喜一憂してましたねぇ。」
「ほんとに。」
「「「「「で、どうなのです?アマリ様?」」」」」
「お、おそらく殿下が急に当家を訪ねてこられたかと、お、思いましてよ。そ、その時にフィロルウェインが対応して、い、意気投合されたのかも。く、詳しい事は後ほど、フィロルウェインに聞きましてから報告いたしますわ。」




