11話 ---戸惑義母---
さぁ、これでお開きですね。
妾の寿命も減ることがなくホッとしております。
「おおっ!なんだ?この星空は?」
「ルル兄。声を上げちゃダメですって。」
おや、フィロルウェインは所用でここに来れないのではなかったのでは?
で、傍にいる貴公子は……ルルル、ルーシフェル殿下。
我儘王子がここにぃー?
わわわ、妾のアリスちゃんがお手つきにー
どーしましょ!どーしましょ!
「いきなり声を上げて済まぬな。」
ありっ? いつもの我儘王子じゃない?
「さぁ、夜の世界は終わりです。昼の世界に戻りましょう。」〈パチン〉
フィロルウェインが指を鳴らすと、一瞬で暗幕が取り除かれ『昼』となる。
「ヒロ。どんな仕掛けだ?これ王宮でもできるのか?」
「ルル兄、そんなことより挨拶、挨拶。」
「おお、そうであった。
我はフイーン王国第三王子ルーシフェル=ゼ―フィンである。こちらに美しき方がお茶会を開かれていると聞いて、フィロルウェインに案内してもらったのだ。
これで良いのかな。ヒロ」
「上々にございます。ルル兄」
なんですの?いつもと違い、あの落ち着きの払った殿下のご様子は?
それにフィロルウェインと愛称呼びなんて、いつの間に仲良くなったのですの?




