1話 ---先触応対---
「当方、王家第三騎士団所属トマーシュ=レイモンである。第三王子ルーシフェル=ゼ―フィン殿下の使いで参った。ルーフィン公爵閣下にお取次ぎ願いたい。」
間の悪いことに今、父上は王宮に出仕中。義母上はお茶会真っ最中だ。執事長が出てくるまではもうしばらくかかるな。
僕が対応してよいのだろうか。
ボクその1[異議な~し]
ボクその2[無問題]
ボクその3[OK!]
満場一致で僕が対応することにします。
「父ルーフィン公爵は不在です。用件があればルーフィン公爵家が長男フィロルウェイン=ルーフィンが承る。いかな御用か?」
「…………子供に用はない。」
まぁ、それが普通の反応だね。
「ヒロよ、どうしたのじゃ?大声出して?」
師匠の登場だ。
「なんだ?トマ坊か。立派になったのう。」
「お、お久しぶりです。ライヤーン閣下。」
おっ。騎士さんちょっとビビってる。
「しかしまだまだよのう。見た目だけで判断するとは。しっかり口上を返したであろう。当国の騎士は礼儀をわきまえない無作法者か?」
「いや、しかし…」
おお~。師匠のにらみに退かないとは。彼、結構つおい?
(その割に冷や汗かいてますけど…)
「ちなみにこやつ。剣技は修行中だが、ガチでやるとヌシ…負けるぞ。儂の愛弟子じゃからな。」
師匠に『愛弟子』って言われた。嬉しい~♡
このへんにしときますか。
「師匠。援護はうれしいのですが話が進みません。レイモン殿。詳しい話をお聞きしたいので、馬を降りてこちらへどうぞ。」




