9話 ---偽令嬢演---
最初はね、演じようとしていましたよ。令嬢を。
でもね、女の子同士の会話に令嬢もへったくれもありません。
皆、自慢したい病 発症者なのです。
すくに打ち解けました。
注意する点は『侍女とばれないようにすること』『相手を持ち上げつつ、自分を下げないようにすること』この二つさえ守れば大体オッケーです。
2番目は難しいようですがヒロ様趣味レートすれば簡単です。
でもね、甘味の話になるとテンション上がっちゃいます。上の事、忘れそうになります。甘味は正義です。
ありっ?
いつの間にか甘味自慢からヒロ様自慢に変わっている。
皆も甘味より食いつきがいいぞ。ヒロ様は正義?
ルゼちゃんは固いなぁ。
見た目、ヒロ様風にいうと『ヅカケイ』なんだろうけど…
「すいません、アリス様。考え事ををしてまして。」
「『アリスちゃん』」
「え?」
「皆も『ちゃん』付けで呼んでいるんだよ。ルゼちゃんも『ちゃん』付けで呼んでくれなきゃ。」
「えーと。アリス…ちゃん」
「ん。よろしい。」
ちょっとお姉さんぶってしまった。
「ドコデ、モドア。ここに溜まっている空気が解りますか。」
「溜まって…いますね。」
「若干…重いですね。」
「この少し重い空気だけを二人で同時に『フールド』で集めて圧縮していって下さい。」
…
…
「「ヒロ様。なぜか水になりました。もう限界です。」」
「一気に魔法を解除してください。」
〈シュゴッ〉
「「何か雪のようなものができました。」」
「あっ素手で触らないでください。イリス。これは『雪』です。氷は作れなくても操術は仕えるでしょう。雪を集める魔法で集めてください。」
「ヒロ様、扱えないことはないんですけど、なんか勝手が違います。」
「何とか頑張ってください。さぁ、どんどん行きますよ。」




