7話 ---終義解説---
「…というわけで、『時を止めている』ではなく『思考速度を上げている』のです。」
「ほほう、そうじゃったのか」
「ですから『止まったように感じる』まで上げなくても『行動が制御できる限界まで』位に留めて置けば負担は軽くなるはずです。」
帰ってきてくれた師匠に最終奥義、解説中です。
「『思考速度上昇』だけなら他の属性でもできるはずです。ですが多用は危険ですね。昔の師匠の時みたいにリミッターが働けばいいのですが。」
「速度強化出来ぬものが『思考速度上昇』しても意味なかろうに…」
「いいですか師匠。『思考速度上昇』ができるということは、『考える時間が取れる』ということですよ。『万事休すの状態でも打開策を考える時間が取れる。』『経験や感だけでなく思考観察で敵の隙を突ける』ということですよ。これは強みです。」
「なるほど、そうか。なら、例の4人にやらしてみるかのう。あの4人なら、魔力操作に関しては安心じゃ」
思い出した。
「師匠、オル兄さんから隠形術を教えて貰えませんか?」
…
「済まぬのう」
なんですか?
「実はバーバラーヤから『ヒロ様には隠形術を教えないでください。』と言われておっての」
えーーーー。
「『専属として、ヒロ様を見失うわけにはまいりませんので』といわれて断れんかったのじゃ。」
残念。先手を打たれた。




