6話 ---幼児無双---
「ヒロ様。保育部屋からお呼びがかかっております。なんでも力比べ(この前のリベンジ)したいと。」
本来、部屋に子息を呼び付けるなど、不敬極まりないはずだが、父の
「『力』で従わせるのも当主としての力量じゃ。予行演習だと思って行ってこい。」
ということで、ハルと来ました、保育部屋…ではなく修練場?
運動会か?
1位のご褒美がセレスのチュウということで男児たちは、かなりテンション上がっている。
おや?ハルも本気モードですか?ハルはエロいお子様ではなかったはずでは?
「なにかわかんないけど勝てば『かっこいい』んでしょ。ボクがんばる!」
うん、ハルらしい答えをありがとう。
「ボク、アリスお姉ちゃんのおっぱいパフパフがよかったなぁ。ハァハァ。」
そこの君。その意見には激しく賛同だ! だが彼女は僕の専属だ。誰にもやらん!
いかん遺憾。僕も熱くなってしまった。
しかし、セレスの純潔のため多少本気を出しますか。
「男の子ってバカじゃないのぉ~~」
「熱くなっちゃってさ。」
「ねぇ~~」
女の子は冷静だ。
「みんなぁ~。女の子が1位だと騎士様のお姫様抱っこだよ。」
年上見習いさん。唄のお姉さんみたいだな。
そこでオル兄さん登場だ。
普段平凡顔なのに騎士服着るとかっこよく見えるんだよなぁ。なんでだろ?
「キャー♡ 1位は私のものヨ。」
「いや私よ。」
「私だって!」
女児もハイテンションだ。
ハル付き侍女さん! そこ!参加しようとしないっ!
結果ですか?
もちろんハルと二人で無双しましたよ。
もちろん強化術なんて無粋な物、使っちゃいません。
日々の鍛錬の賜物です。
いやぁ。数か月前からすると元気になったものです。
最終結果として、ハルと同率一位です。
純粋な力ではハルに負けますが、総合力では勝っています。
技の一号、力の二号です。
セレスの、ほっぺにチュウを受けて、男児からの嫉妬の視線が…
これは甘んじて受けましょう。これは勝者の義務です。
ハルもチュウしてもらってまんざらでもない様子。エロい子覚醒か?
「だって『チュウ』は『かっこいい』からしてもらえるんでしょ。」
…どうも『チュウ』は『かっこいい』の証明書程度の認識らしい。
ハルらしくていいのだが…お兄ちゃんからするとちょっと心配です。年相応にエロくなっていいんだよ。
でもなぜに女児からも睨まれにゃならんの?…あっそうか。
「オル兄さん。お願いします。」
女児の1位に『騎士様お姫様抱っこ』をしてあげるようにお願いしたんだが…結局「私も」「私も」と全員にしてあげる事になっていた。
ハル付き侍女さん!どさくさに紛れて列に並ぼうとしないっ!




