5話 ---相談援助---
私がヒロ様の元を離れ、新人たちの指導をしていると、
「?ヒロ様?」
ヒロ様に『女たらし』の兆候を感じます。
「皆さん。所用を思い出しました。後の指導はミゲレッテさん、お願いしますね。」
急いでヒロ様の元に戻らねば。
「セレス。どうです。屋敷になれましたか?」
「はい。奉公に出た当初は『家が恋しくなる』って聞いてましたけど、そんな暇ないくらい忙しいですね。」
「無理していませんか?」
「家だとこの倍は忙しかったので大丈夫です。」
「…それは良かったですね。」
銀貨亭ってBLACK企業?
「皆さんには優しくしていただいているのでさみしいなんて感じません。アマリアーヌ様もヒロ様に似て気さくな方なんですね。」
「…義母上と僕は血がつながってませんよ。」
「えっ?」
まだラーヤは伝えてなかったのかな?
「僕の生母アルフィーニは、僕を生んですぐに亡くなったそうです。」
「ま……誠に失礼なことを言い申し訳ありません。」
この受け答えなら、侍女教育がしっかり行われてるってとこか。恐縮してるところはフォローしないと
「気にしていないよ。セレスと一緒で僕もさみしいなんて感じてないし。それに新しくお姉ちゃんが出来たしね。セレスお姉ちゃん♡」
「…まぁ。ヒロ様って冗談がお上手なんですね。」
少しは和ました?
「ヒロ様。お戯れもほどほどになさってください。」
いつの間に僕の後ろを取ったんですか?ラーヤ。
僕は彼女を口説いたつもりはないですよ。




