4話 ---愛娘紹介---
「この子が私たちの娘 セレスティーナだよ」
「セレスティーナです。よろしくお願いします。」
改めて紹介される。普通に可愛い子だ。
話の上ではおばちゃんも美人だったことがうかがえる。とするとこの子も美人さんになるか。
(でもさらに年を重ねるとおば……)
青髪だが纏うオーラは火属性を表している。
「この子がふざけて『ファイス』(凍らす魔法)を唱えたところ、氷が出来ちゃったのさ。
髪の色もあって水属性、それも上位の氷魔法の適正があると喜んでいたんだよ。
高名な魔術師に弟子入りさせて、ゆくゆくは宮廷魔術師として大成できるんじゃないかと。」
洗礼前に魔法が使える場合が極たま~にある。
大抵は洗礼直前なので「神様のフライング」として教会に認められている現象である。
「で、洗礼を受けさせた結果が火属性だった。
わたしゃ耳を疑ったねぇ。なんで火属性なのに氷魔法が使えるんだい?と。
聖玉を疑ってみてもそんなこと声に出した日にゃ異端審問まっしぐらさ。昔、異端審問の結果をいやというほど見てきたからね。」
「お母さん。ごめんなさい。」
「お前は悪くないよ。そんな体に産んでしまった私が悪いんだよ。」
「でも…」
「わたし達はいいよ。いつ死んでもおかしくない職についていたんだ。覚悟はできているよ。でもお前は単なる町娘だ。まだ6年しか生きちゃいない。」
確かに今の教会では、教義に反した存在は(物理的に)排除される。
無詠唱ができる僕も排除対象だ。(バレなきゃOK)
「こんな街中じゃ、バレずに過ごすなんて土台無理な話さね。藁にも縋る思いで爺さんに相談したんだけど…。
『何とかなりそうじゃ』と聞いたときには喜んだんだが、公爵家が出てくるなんてねぇ。
フォーリアス、大丈夫かい? 相手は教会だよ。」
要するにバレなきゃいいのと、なぜ氷魔法が使えるか、そこが解決すればいいわけで…
「その子、僕に診させてもらえますか。」
「ヒロ君って言ったかね。診るってなんだい。」
「僕なら彼女が氷魔法が使える原因が解ります。原因が解れば対応が取れるはずです。」
「ナニ言ってんだい。洗礼前も前なお子様に何ができるってんだい?」
おばちゃんは金髪で旦那さんは青髪。
彼女らを診てみると、
「おばちゃんは風で、旦那さんは土ですか。それでしたら火属性、水属性の魔力は感知出来ませんね。」
「………爺さん!この子にあたしたちの事。話したのかい?」
この家族はは髪色と属性が一致しない人たちだ。
「僕は魔力が『診える』のです。」




