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2話 ---礼拝昼寝---
父上から
「今度の安息日に、街の教会へ礼拝に行こう」
と誘われた。
何を突然。とも思ったが、洗礼前の貴族子女はそうそう屋敷から出られない。
いい機会だ。
メンバーは 父、師匠、僕、ラーヤだ。
師匠と僕は、先日の観劇時の服を着た。父も似たような服装で、ラーヤも僕たちと違和感のない外出着だ。
「団長は騎士爵隠居で、父上はその入り婿騎士爵リアス。僕はその息子ヒロで、ラーヤは僕の守役。という設定でいかがでしょう。」
「儂が団長の入り婿か?ワッハッハ!それは面白いな。では義父上、参りましょうか。」
父もノリノリだ。
行きは貸し馬車かと思いきや、御者がオル兄さんだった。擬装用の騎士団所有の馬車か?
教会は荘厳な雰囲気でいいのだが、神父様の長~い、有難〔くな〕いお話を「礼拝来る必要あるの?」という思いで聞いていた。
ら、寝てました。
ぐっすりと。
ラーヤの子守歌より安らかに寝れます。ホントに。
安息日なので店は開いてませんし、露店もないからこの後は帰るだけ、と思いきや
「オルソン、銀貨亭へ向かってくれ。」
あれ、父上? 銀貨亭、知ってましたっけ?




