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オプティカルマジック  作者: 愉魅夢
戦利品?の検分、他
135/613

7話 ---精米協力---

「ヒロ様。騎士団長様とウルディーナ様、エルレン様は今、騎士団詰め所に居られるそうです。」

「解りました。すぐ向かいましょう。アリス、モドア。籠と樽、コ麦を持って付いてきてください。」





「師匠!よりもウル姉さんエル姉さん。お願いが。」

「儂じゃないんかい!」

「いえ、姉さん二人に騎士以外の事でお願いするのですから、師匠にも許可を貰います。

まずはこれを食べてみてください。コ麦で作った『おにぎり』と言う食べ物です。」


籠から出すと、師匠は遠慮なく手を出したが、姉さん二人は遠慮がちだ。


[お腹はすいてるんだけど、それって家畜のえさでしょ。ほんと美味しいの?]

って顔だな。


「うむ、美味しいのう。これは…塩のみの味付けか? あのコ麦、ホントは美味かったのじゃのう。お前ら食わんのか?」


恐る恐る手を出し、一口かぶりつく二人。

〈〈ぱく〉〉

〈はむはむ〉

〈もぐもぐ〉

〈〈ごっくん〉〉

「「おいひ~!」」

〈はむはむ〉

〈もぐもぐ〉

〈はむはむ〉

〈もぐもぐ〉


残りも全部食べちゃったよ

なんだよこの欠食児童は?


「ねえヒロ君もっとないの?」「もっと食べたいよ~」

「残しておいたのはこれだけですし、もう加工済みの材料もないんです。」


なんかえらく飢えてない?


「実は姉さんたちの魔法でその加工をお願いしようと思いまして。

アリス、少しは魔力、戻りましたか? 無理な様なら、魔力を渡しましょうか。」

「いえ、ヒロ様。行けます。」

「姉さん方、よく見ていてください。アリスお願いします。」

「はい、ヒロ様。『セイマイ』」


〈ザー〉という音と共に次々と殻が剥けてゆくコ麦


「コレ、風魔法じゃないの?」

「確かに、土魔法の感じがするけど…」


姉さん方には仕組みを説明し、何度か試して『セイマイ』をマスターしてもらった。


「「ねね!ヒロ君。これであの『おにぎり』作れるんでしょ。早く作って。」」


ここで、はっきり伝えねばならんでしょう。


「お姉様方に残念なお知らせが。ここから『おにぎり』にするまで2時間かかります。」

〈〈ズ-----ン!〉〉

二人は、絶望に満ちた顔となった。



「師匠、たまに、二人を借りてもいいですか?」

「別に構わんが。…しかし魔法を使ってまですることか?儂の知っているところなら杵で突いていると聞いているぞ。」

「やはりそうだったんですか。でもそれだと実が割れてしまう事多くないですか?」

「酒にするから問題ないと言っておったのう。」


酒を造る技術はあるのか、そうなると麹菌が手に入るか?


「そうじゃ、ヒロよ。今からこの二人、ヌシのところに連れて行って何か食わしてやってくれぬか。その分こき使ってやっていいから。

こいつら、昼飯を食い損ねておっての。

今の時間、休憩取らせて食べに行かすのも、他の団員に示しがつかぬ。

が、ヌシのところなら、出向扱いにできる。」


それで飢えてたのか。

でも非常食ないの?


「『非常食』は非常事食じゃ。昼飯を食い損ねたのは非常事態とは言わぬ。」


ごもっとも。




「ヒロ様。一つお願いさせていただいてよろしいですかな?」


何です?慇懃モードで。


「先ほどの『おにぎり』、また差し入れていただきたく存じます。」

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