11話 ---光塊集捨---
寝る段となって妙に体がいじいじする。
医師が体に放った光の残渣が体の内部をつつきまわしている。
男性特有の、あの溜っている感覚に似ている。
まだ3歳児で出せるわけでもなく、どうしようかと悩む。
ふと、溜る⇒煩悩⇒仏門修行 と連想し座禅を組んでみた。
おや、光が集まってきたぞ、ちょうど丹田あたりか?
集まってきた光塊に意識を集中すると
(こっ、こいつ、動くぞ)
体内操作が自由にできることが分かった。
光塊を移動させると、その通り道に残っていた光が光塊に吸着された。まるで雪玉である。
光塊を体の隅々に移動させ、いじいじを一掃。したのはいいのだが、どうしよう?
尻から出す? 暴発しそう。
口から出す? 怪獣か?
とりあえず、暴発しないよう両手で包むようにして光塊をひねり出す。
お~出た出た。光の玉が。
何だろう?
テンプレで魔力?
結論を出すには知識が足りない。要勉強だ。
このまま、ポーズをとれば、か▽は○波が出せそうだ。
このままだと、だんだん霧散しそうではあった。
また体内に取り込まれては集めた意味がない。
外に捨てよう。
バルコニーに出て、庭にポイしようとするが、目立ってしまうな。
おっ、排水口がある、ポイ。
……コロっと庭に転がり出て茂みの中に消えていった。
後日に騒ぎになっていなければ問題ないだろう。
次の日の夜、前日掃除したはずの光が、また体の内部をつつきまわす。
その後、光塊操作が、寝る前の日課となった。