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6話 ---児命風前---
「母親としての愛情を坊ちゃまに注いであげられているのでしょうか?」
自分で疑念に思いながら、坊ちゃまのお世話をしています。
そんな疑念を払うかのようにすくすくと坊ちゃまは成長されています。
ある時を境に坊ちゃまの成長が停滞し、だんだん弱っていきました。
色々手を尽くしましたが、一向に良くなりません。
そして
ついにあの日がやってきてしまいました。
坊ちゃまの心の臓が止まってしまったのです。
「この子さえ生まれなければ。」などと一刻でも思ってしまった私への罰なのでしょうか。
アル様の遺言を果たさせてもらえないとは…
一人放心状態の私を置いて、御当主様は坊ちゃまを連れていかれます。




