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10話 ---愛称決定---
「バーバラーヤ。父上から許可を貰いました。これからは僕の専属です。これからもよろしくお願いします。」
「勿体なきお言葉です。」
「で、ボクの希望なのですが、愛称で呼んでもいいですか?」
この世界、貴族が使用人を愛称で呼ぶなど、よほど信頼している相手でないとしない。彼女は僕の専属だからいいよね!?いいよね!?
「では『ラーヤ』とお呼びください。」
ネタに走れば「バーヤ」と呼ぶ事も考えたが、この略仕方は一般的でないのだろう、まだ若いのに「ばあや」はかわいそうだし。
「ラーヤ。今後ボクの事を『坊ちゃま』ではなく『ヒロ』と呼んでください。『フィロ』より呼びやすいでしょ」
『俺』の元愛称だ。愛着があり、『僕』の名前に対しても問題ない略仕方だろう。
「それでは、今後そうお呼びしますね、『ヒロ様』」
『様』付けは譲れないらしい。