1話 ---相関解説---
「ヒロ様。ありがとうございます。昨日の防御強化術に対する『魔力を纏う』という考え方。術の習得にかなり有効であることが解りました。」
師匠が慇懃に報告してくる。
むず痒いからやめてくれー。
昨日のその後の修練で何人かは成果がでたようだ。
「と。ヒロよ。今日は筋力強化術をやってみようかの?」
いつもの師匠だ。
「師匠。今日は侍従二人にも強化術を習わせられないものでしょうか?」
「ふむ。…ヌシらの属性は『風』…かの?」
「「はい」」
「ならば、防御強化術は難しいかもしれぬのう」
「どういうことです?師匠。」
詳しく聞いてみよう。
「各強化術には得手不得手があっての、魔法属性の影響を受けよる。
土属性の者は防御強化と筋力強化、治癒力強化
風属性の者は速度強化と筋力強化、治癒力強化
水属性の者は治癒力強化と筋力強化
火属性の者は筋力強化と治癒力強化
は修練次第で必ず使える。だかそれ以外の強化術じゃと習得に差があっての。風属性の者と防御強化は相性が悪いのじゃ。」
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つまりはこういう事だ。
↙土↘
水―火
↖風↗
筋力、治癒力強化術は皆比較的習得しやすいが、防御、速度強化術は属性が一致しないと習得しにくい。
なお火属性は筋力強化、水属性は治癒力強化 に強化率が上がる。
なお、強化術に関係のない属性はこの関連図には含まれていない。
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そんなんでよく僕たちに防御強化術、習得させようとしたな。
「師匠は、いとも簡単にやってたのではないのですか?」
「それはほれ、修行の賜物じゃて」
「僕たちにもできたではないですか。」
「ヌシらは特別じゃ。あくまで『習得しにくい』であってできないわけじゃないのだ。1週間で出来ればめっけもんと思うてた所で、1日で習得するとは…
まだヌシらの属性も確定していないというのにのに。どこに洗礼前に魔力の使える者がおる?」
「はい、ここに二名ほど。」
師匠はあきれ顔だ。




