9話 ---結果確認---
で、『王の資質』とやらが自分にあるとも思えないんだが、儀式を受けて大丈夫だったのだろうか?
いや、大丈夫だったからこそ今に至っているのだが。
「正直、儀式が成功するとは思ってなかった。文字どおり藁をもすがる思いであったのだ。」
元気になって何よりです。はい。
「で、其方は誠にフィロルウェインか?」
一瞬ドキリとするが顔に出さずに考えた。
自分は『僕』であり『俺』である。
『僕』と『俺』が主導件を取り合っているわけでもなく、『俺』が乗っ取ったわけでもない。
波長があったのか?『僕』の精神がまだ未成熟だったためかは分からないが、精神的に融合しているのだから『僕』であり『俺』でもある。
『俺』の記憶のため若干の感覚ずれはあるが、ちゃんと目の前の者が『父』であることを認識している。
よって、
「フィロルウェインかどうかはボクにもはっきり言えません。アルフィーニ母上から生まれたボクです。というしかないのが現状です。
なにをもって『フィロルウェイン』と証明するのか?見せれるものがこの体しかない以上証明しようがありません。」
このセリフに、父はあっけにとられていた。
「…よい。その賢明な言い回しアルフィーニにそっくりだ。これ以上の証明はないであろう。」
っと、ここに来た本題、果たしてない。
「父上にお願いがあります。」
「何だ?」
「バーバラーヤを自分の専属としたく思います。」
父は、「やられた」の顔をしながらも
「解った、認めよう。」
と許可をくれた。
後で聞いた話、ずっと前から父は彼女を『お手つき』にしたかったそうだが、彼女がずっとボクにかかりっきりで、さらには、アマリアーヌ母上の嫉妬が怖くなかなかできなかったらしい。
専属にしてしまえば他から『お手つき』にはできないからね。