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飴玉

作者: 雨粒

 飴玉が降ってきた。

 堅い飴玉が、いろいろな色の飴玉が、バラバラと降ってきた。

 頭や体に当たってとても痛い。

 避けようとしても避けられない。

 とっさに手に持っていた傘を開いて、降ってくる飴から身を守る。

 傘に飴が当たってすごく大きな音が鳴る。飴が傘に当たる度バンッと大きな音が鳴る。

 

 降ってきた飴玉は、地面に落ちてパキッと砕ける。

 地面を見ると砕けた飴玉が散らばって日に当てられてキラキラと輝いていた。

 宝石のようでずっと向こうまで落ちている。

 おいしそう。

 そんな風にふと思った。そういえば最近飴を食べていない。買おうと思うこともなくなった。

 綺麗、食べたい。

 思うと同時に落ちてくる飴を手にとって、口に放り込む。コロコロと口の中で転がしていく。

 美味しいな、イチゴ味。

 飴はすぐになくなってしまう。

 また一つ口に入れる。

 コロコロコロコロ。

 またすぐになくなってしまう。

 どれだけ食べてもすぐになくなる。ながく保たない。

 ふとき気づくと涙が頬を伝っていた。拭っても拭っても溢れて止まらない。

 飴が止んだ。

 ああ、止んでしまった。

 次は何が降るのだろう。

 できれば普通の雨がいいな。

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