ありがとう。
絶対にいける。
そう、イメージして。
私が宙に舞うところを。
力強くゴムのグラウンドを蹴る。
______いった。
そう思った刹那
_______カランカランカラン
虚しい音がした
終わった。
私の3年間。
中学校で陸上部に入部した。
小学生の頃、大きな大会で良い成績をおさめたからだった。
本当に跳ぶのが好きだった。初めは90cmも跳べなかったのに、小学校を卒業する頃には130cmも跳べるようになっていた。
一本一本がドキドキしてワクワクしてキラキラ光っていた。
…………………………………あの頃は。
いつのまにか跳ぶことが楽しくなくなっていることに気づいた。
手の中にあったキラキラしたものがポロポロ落ちて無くなっていた。
いくら高く跳んでも成績のことで頭がいっぱいだった。最近は、記録が伸び悩んでいることもあっただろうけど、楽しんでいなかった、自分の心がキラキラ光っていなかった。
だから、最後の大会を楽しもうと思った。できれば自己新記録がほしいけど、神様に「それは贅沢だ」
って言われそうだからやめておいた。
友達といろんなことを話した。もう出会って5年にもなる小学生の大会からの付合いの最高のともだち。"通知表はどうだった"とか、"オープンハイはどの学校行く"だとか"オープンハイで出会えるなぁ"とか"彼氏はいるとかいない"とか
まぁ、メアドは知っているのだが顔を見て話せるのは、大会ぐらいだ。
楽しかった。ガールズトークもいいけど、何より高さにこだわらず気楽に跳べた。
キラキラしたものがそこにはあった。
最後の大会、楽しめて良かった。記録は全然ダメだったけど、この競技が大好きな私でよかった。この5年間いろんなことあったけど、キラキラしたもの、たくさんありがとう。いつかまた宙を舞う日まで。