表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/50

誘拐

 カティは双眼鏡で見た首謀者らしき人物だけに危機感を覚えた。その他は特に問題ないと判断して畑に真っ直ぐ向かう。どの薬を使おうか?と歩きながら考えているカティの鼻に一瞬何かが香った


 「…何?」


 畑に近づくとその匂いの正体がはっきりしてくる。そしてその焦げた匂いに嫌な予感がしてカティの足がどんどん早くなる。


 「な…なん…で…、どうして?」

 

 目の前に広がる光景にカティはただ愕然としてしまう。大切に育てた薬草達が火柱を立てて燃えている様子にカティの膝が折れる。まだ火が発生して1分も立っていない筈のそこはすでに辺り一面火の海になっていた。


 「だ…誰が…こんな酷い事…、あっ火…け…消さないと」

 

 カティはとにかく火を消そうと立ち上がると、近くにあった水道からホースで水をかけた。しかし水を直接かけている部分でさえその火の勢いは収まらず、明らかに何らかの力によって燃えてるのだとわかった。


 「あんの…黒服っ!!!」


 カティの脳裏に首謀者の人物が映る。その時、叫び声がカティの耳に飛び込んできた


 「やっ約束が違うじゃねぇかっ!!!」


 慌ててその声の方に駆けつけようとするが、いつの間にか火の壁に周りを囲まれて身動きがとれない状況になっていた。「ぎゃーっ!!!」という人の断末魔が同じ場所から聞こえる


 「な…何?何が起こってるの?わっ私が目的じゃないの!?」

 

 相手が内部で揉めている状況に訳がわからなくなる。

 

 

 その時背後から聞き知った声が聞こえてきた。


 「お久しぶりですね。天妃様」

 「っ!!」

 

 カティが相手の名前を言おうとした瞬間に首に手刀を落とされ、そのまま黒服の人物に倒れ込む。倒れ込んで来たカティをそっと抱きかかえるとその人物は指を弾いた。すると今まで火柱を上げて燃えていた畑から一瞬にして火が消えた。

 

 「『天帝の銘』の力にもう少し手こずると思いましたが、何故でしょう…?その力がほとんど薄れていますね」


 黒服の人物は前髪をあげカティの額を見た。『魔薬』を飲んだ直後のカティの額には銘の紋章は無い。


 「まぁ、予想外の事ですが、おかげで計画が遂行しやすくなりました」


 意識のないカティに黒服は語りかけ続ける。


 「さて…ここの犯人にはあの者達になって頂くとして、あの御方の意識を逸らせる為にも、多少の時間稼ぎに天妃様の代わりの遺体を置いておかねばなりませんね。おや?主従の指輪?これはちょうどいいです」


 そう言うと黒服の人物はカティの髪を一房切り、それを握った指先を口元にもっていき詠唱する。するとカティの着ていたはずの服が宙に浮き、それにカティによく似た人型が形成される。そして黒服がそのまま、指を弾くとその人型が燃え上がった


 「そして…仕上げに」


 裸になったカティに自分の外套を着せ横たえる、そして主従の指輪を嵌めた手を握るともう一度詠唱する。すると主従の指輪は歪な変形を繰り返しながら、カティの指から外れた。その指輪を燃えた人型の指のあった場所に置く。


 「これで完成です。しばらく時間は稼げるでしょう」


 黒服の人物は横たえたカティを抱き直す。そこには灰色の髪をなびかせたアウノが微笑を浮かべて立っていた

お久しぶりです。

GWは全くPCを触れませんでした。


あと…サイトをFlashで作っていると…時間が…(ぐはっ!)


あ…出てきましたよ!アウノです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ