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圧勝

畑に爆竹の音が響き渡るのとカティが屋敷の二階のベランダへ下りるのは一緒のタイミングだった。ベランダから室内へ入ったカティはまず木の上の足場を発見されない為に、適当に近くの割れない置物を手に取り、渡って来たロープに結びつけ木の方へ投げ返す。

 

 「ん〜ナイスピッチング!さぁ〜てと、屋敷の周りの二人からやっちゃいますか」


 そう言うとカティは窓から離れシーツを何枚か洗面所から持って来て、それを全部結び長い紐状にするとベランダに結びつけ下へ投げ捨てる。外套から無色の液体が入った試験管を取り出すとそれを地上に降らせた。


 「さて!素晴らしき吸着力を見せてくれたまえ。セキュパーチ」


 そして今度は割れそうな置物を手に取り、思い切り窓に叩き付けた。大きな音をたてて窓は割れ、その窓から外の声が聞こえてくる。


 「おいっ!!こっちで音がしたぞっ!!屋敷の裏だ!裏手に回れ!」

 

 カティは二階のカーテンに隠れ、下に男が来るのを待つ。


 「おいっ!!二階から地上に逃げたみたいだぞ!」


 男達は二階から伸びるシーツを見て叫ぶ。そして暫くすると地上から「なっ何だこれは!!」や「あっ足が…」と言う声が聞こえてくる。その声を聞いてようやくカティはベランダに立った


 「こんにちわ〜!!」

 「「なっ!?」」


 頭上のベランダから聞こえる声に男達は唖然とする


 「おっ…お前がカティ・ライタかっ!」


 二人の男のうち一人がカティに向かって叫ぶ。カティはそれを聞いて自分の名前がかなり短縮されてしまっているのに顔を歪める。男達は下りてきやがれなど叫んでいるが、カティはそれをベランダの柵に肘をついて見つめ、溜息を吐く。


 「…人の名前ぐらいちゃんと言おうよ。あたしはカティ・サトゥ・サルメ・ライタ」

 「くそっ!もう少しで五千万手に入るのに…てめぇ何してんだよっ!!」

 「うるせぇ!貴様こそ目的が目の前にいるのに微動だにしねぇじゃねぇか…」

 

 五千万という高額が自分の値段として付けられてるのにカティは驚く。


 「あんた達の雇い主はえらい奮発したねぇ〜。あっ、あんた達動かない方がいいよ!」


 そんなカティの言葉を聞かず、男達はカティをそっちのけで言い争いを初め二人揃ってその場に倒れ込むと、そのままの体勢で動けなくなった


 「何なんだここはっ!」

 「くそぅ!動けねぇ!」


 勝手にどんどんドツボにはまっていく侵入者を見ながらカティは笑いが止まらない。


 「「てめぇの仕業かっ!」」

 「…てめぇの仕業ですけど、あたし動かない方がいいって注意したじゃん」


 カティが先程撒いたセキュパーチの樹液は1gで約1tまでの物質を吸着する優れもので、一度吸着した物質は離す事なく、分離させるにはセキュパーチの葉を粉末にしたものを使わなければならない。シーツの側に撒かれていたが無色なので侵入者にはわからなかった。一人は倒れる時にシーツを触ったらしく、片手はシーツを掴んだまま中途半端に倒れている。


 「お〜…」


 男の一人が大声で仲間を呼ぼうとしたので、慌ててカティは外套から赤い粉末を取り出すと地上に向けて撒く。


 「おやすみなさ〜い!」


 赤い粉末は強力な睡眠薬で、男達はすぐに深い眠りについた。カティ撒く際に粉末を吸い込まない様にタオルで口元を抑えていた。


 「(いっちょあが〜り!次行ってみよ〜)」


 タオルでくぐもった声を出しながらカティは残りの侵入者が待つ畑に向かった。

すみません。

活報で拍手に小話と書いたのですが、設定で今日の夜まで見れない状態でした

今は見れます。

カティの実験被害者の小話です(笑)


拍手のコメもありがとうございます!

やはり感想を頂けると創作意欲が湧いてきます!!

感想って想像の源ですねvv


お気に入り登録650件、評価も1800ptをこえました。

言葉も出ないくらい感謝です。

これからもよろしくお願いしますvvv

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