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怪しい訪問者

 カティは扉を少し開け、その姿のまま固まってしまった。そこにはガスマスクのような面を被り、あたかも怪しい黒のフードコートを来た二人が立っていた。思わずカティは死を覚悟してぎゅっと目をつぶり、その時が来るのを待った。

 しかし一向に何かが起こる気配が無く、恐る恐る薄目を開けるとそこには必死に何かを伝えようと頑張る二人がいたが、面からは『シュコー・シュコー』という空気音が聞こえるだけだった。


 『シュコー・シュコー』

 「…もしかして…もしかしなくてもネストリとユホ?」

 『シュコ・シュコ』


 幾分息が返事に聞こえたカティはようやく落ち着いて二人を見る事が出来た。そして一人の腕の中にある透明のケースに入った花を見た途端、狂喜乱舞し今までの事が無かったかの様にすぐにを開け放った


 「それディピアルダよね!お疲れさま!!さぁ中に入って!」

 

 そんな中カティの指輪が濃紺と朱色、交互に光る。


 「あ…これで会話するって事ね…」


 そう言うと意識を指輪に向けた。ぐんと思考を引き込まれる感覚がまたやってきて、しばらくするとネストリの声が頭に響く


 『カティ様…驚かないで下さいと申し上げましたのに…』

 「だってありえないでしょ…最初ガスで殺されるかと思ったよ」

 『…そんな奴がこの結界内に入れるわけないじゃないですか…』

 

 相変わらず音は『シュコー・シュコー』という空気音だけだったが、会話をするとやはり安心度が増した。


 「これってユホも同時に会話出来るの?」

 『さぁ…どうでしょうか?ユホ?』

 『大丈夫です。先程からきちんと聞こえております。しかし…これは結構な波動を使いますね…』

 『そうだね〜』


 ネストリは平気そうだったがユホは幾分辛そうな声が伝わってくる。先程テロと話した時も今も特に苦痛を感じないカティは首を傾げてしまう。


 「え?これって波動使ってるの?」

 『カティ様。どんな具も使用すれば波動を消費しますよ』

 「あぁっ!具で思い出した!ネストリの嘘つき!これ魔具じゃないじゃん!古の道具なんでしょ!外せないってどういうことよ!!」

 『おや?どこでそれを?』


 そういうと、ネストリであろう方の黒の男が指輪を嵌めている方のカティの手を取り、それを見つめる。


 『この細工、これは…天帝ですか?』

 「う…」

 『五帝は契約するとは思いましたが…まさかそれより先に天帝が…』

 「…知らない間にされたんだから…不可抗力」

 『……』


 あえてカティの返事には何も答えず会話を続けようとしたが、それをユホが遮った


 『申し訳ありませんが…このままの会話は波動の少ない魔族の私には少し辛いです。ラボの周りに魔具を設置させて頂いて宜しいでしょうか』

 「あっユホ!ごめんね。何でもどうぞ設置しちゃって下さい」


 ユホであろう黒の男は持っていたケースをネストリに渡すと側にあった鞄から小さなピラミッド型の魔具をラボの周りに設置していく。

 そしてユホはネストリの側に戻り、ネストリの手からケースを返してもらう。今度はネストリが一つだけ色の違ったピラミッドの側に行き、手をかざした。するとパキンとラボを包む空気が変わり、その空気を例えて言うなら結界外の空気と似た感じになっており神域とは別の物になった。

 そして二人はラボの中に入りようやく面を外した

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