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如才ない男

カティが行動を起こす事が出来たのはテロが天界に戻った日の昼すぎだった。

ベットの中でまだふらつく身体を何とか起こし行動する


「20日しかないのに…寝てる暇なんてないってのに…あんの…絶倫男め…」


カティは腰を支えながら、よろよろと洗面場に行き冷たい水で顔を洗う。少しすっきりした顔で大きく息を吐くと目の前の鏡に向かって宣言する


「とにかく出来る事を精一杯するっ!!」

『ぐぅぅ』


カティはテロに寝室から出してもらえず、昨日の夜から何も食べてなかった。


「お腹空いた…補給は大事!」


棚と冷蔵庫にある食材を頭に浮かべつつ、出来る料理を思い浮かべる。もともと研究者なカティは研究を始めると、食事も忘れて没頭してしまう癖を自分でも自覚しており、食事は出来る時に大量に補給していたという過去を思い出して、くっくと笑う。

過去にしていた事のように久しぶりのやりがいのある研究に、心底から喜びが沸き上がる。うきうきしながら台所に入るとそこに並ぶ料理の数々に目が点になる。


「…これ、…テロ?」


暫く料理を前に茫然としていたが、カティは空腹にこの香りは毒だ…と「ありがとう。頂きます!」というと一気に食べ始めた。


「…美味うますぎ」


カティは「どうやったらうちの食材でこんな豪華な料理が出来るんだ?」と疑問に思いつつ、全皿綺麗に平らげていく。みるみる内に減っていく料理。丁度最後の皿を食べ終えた所でカティのお腹が満たされた。


「この量。…何て如才無い男なんだ」


飲み物を飲もうと冷蔵庫を開けると、そこには夜食が詰まっていた。それを見てカティは思わず


「…何て如才無い男」


ともう一度繰り返してしまう。今から研究室にこもるという事はきっと夕食は食べない。でも夜遅くにはお腹がすくと思うので、そんな時にちょっと摘んで食べれる物…天帝ってそんな事も見透かしてしまうのかっ?とさすがにビビる。しかもいつもただの水を冷やしているところにはきちんとアイスハーブティーがあった。


「素晴らしすぎる…って嫁いる?…これ」


感動を通り越して複雑な思いを抱きつつ、ハーブティーを持って研究室、通称ラボと呼んでる離れに向かう。外壁に無数の薬草が吊られているそこはカティにとって天国だった。扉を開けて中に入る。部屋の中は一見乱雑にすべてが置かれている様に見えるがカティなりの法則によってたくさんの器具、薬草、書物や紙が置かれていた


「さぁ!今日もはりきって未知との遭遇!しますかっ!!っぁ…その前に…」


カティは目当ての種を棚から取ると、畑に向かう。手にしたアルメアの種を昨日作った畝に蒔いていく。


「はやぁーく大きくなってねっ!と」


他の花達には水をやろうとしてホースを手に持ってきていたけど、どうみても土が濡れていた。


「…何て如才無い男」


テロが天界で身をブルっと震わしていた事はもちろんカティは知らない

テロのマメさが…(笑)

もう一途にカティを好き過ぎて哀れです(苦笑)

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