中二病勇者はいとも簡単に魔王を屠る
俺は勇者、人々からそう言われている。勇者なんてまいっちまうよなー。まぁこの右手に宿りし精霊の力を見たらそう思うのも無理もないよな。だが、俺も最初から勇者だなんてもてはやされてなかった。
むしろ中二病だなんて馬鹿にされていた。それもしょうがないことではあるがな。昔は俺も精霊の力を扱えず今のように派手な魔法を放つことなんてできないただの平民だったからな。傍から見たらはっきり言ってさぞ痛い奴だったろう。あの頃の記憶は思い出すだけで涙が溢れてくる。
だが、そんなことはどうでもいい。俺は今、勇者として世界を救うために魔王城魔王の間で魔王と対峙している。
「貴様が魔王か、噂通りの気持ちの悪い見た目をしているな」
「それは褒め言葉と受け取ってよいかな?」
魔王は口角を上げながら6つの目を細める。
「勝手にしろ。そんなこと貴様には関係ない。何故なら貴様は俺の右手に宿りし精霊の炎に焼き尽くされて終わるんだからな!」
「ずいぶん自信があるようだな勇者よ。だが我を舐めるなよ!」
魔王は叫ぶと共に口から数百もの氷の球を高速で放ってきた。
「言っただろ。俺には炎の精霊が宿っているんだ。氷なんて相性最悪だぜ」
俺は右手を天に構える。
「我が右手に宿りし炎の精霊よ炎の盾により我を守りたまえ!」
俺の体の数倍もある炎の壁が出現し氷を全て融かし落とした。
「ほう、威勢だけの勇者ではないそうだな。だがこれはどうかな?」
魔王は再び口を開くと水の光線を放った。
「俺に相性なんて関係ない。貴様を焼き尽くす!」
俺は向かってる光線に向かって右手を構える。
「精霊よ!我に貴様の全てを貸したまえ」
すると炎の波が出現し放たれている水を蒸発させながら魔王の元へと迫っていった。
この俺でも熱さを感じる程の炎だ。魔王は丸焦げになるだろう。
「勇者よ......これ程とは」
炎の中でもがき苦しむ魔王の断末魔が聞こえた。
ふっ。魔王といえどこの俺にかかればこの程度か。
儚い。魔王でさえこの俺を楽しませることができないのか。




