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Abandoned Night 8話

シオンちゃんと夜の道を歩いてると、ふと思いついたようにシオンちゃんが喋りだす。

「ねぇねぇ!アイちゃん!そういえばさ、もう1人の石を持ってる子ってどんな子なんだろうね?」

「…えっ?」

「せっかくの夜だしさ、こっそり見に行ってみない?石の場所の位置も水色に薄っすら光ってるし!」

確か、夕方ソラに見つけてね。的な事を言われたから丁度いいかもしれない…。

「うん…分かった。良いよ。少しだけ見に行ってみよう。」

私たちは薄っすらと水色に光る場所まで歩いてみる事にした。


「アイちゃん好きな食べ物とかってある?」

「えっ?」

突然始まった会話に戸惑いを隠せない。

すると慌ててシオンちゃんが言う

「いや!えっとね!せっかく知り合えたんだし、仲良くなりたいな~と思ってね!聴いてみたの!」

「好きな食べ物…」

どうしよう…何も思いつかない。

私にはお母さんしかいなかった。お父さんが生きてる頃はごく普通の家だったと思う。

でもそうじゃなくなった時からお母さんは可笑しくなった。

毎日違う男の人を連れて帰って来たり、帰りが夜遅くなったり。

最初仕事だと思っていたが、そうじゃなかったみたい。

好きな食べ物なんて思いつかない。あんまり食べ物を知らないから…。

でもそんな時ふと記憶の片隅にお父さんが生きてた頃の記憶が蘇る。

そういえば、お父さんはよくシュークリームを買ってきてくれた気がする。

味は薄っすらとしか覚えてないけど、確か美味しかった気がする。

でも、どうしよう…普通じゃなかったら…お母さんによく普通じゃないと言われてたからシュークリームが普通の答えじゃなっかたらどうしよう…。

私はおずおずと答えた。

「…シュークリーム」

シオンちゃんは優しく笑い

「そっかぁ!シュークリームかぁ!美味しいよね!私も好きだよ!」

良かった…答えは間違ってなかったみたいだ…


歩いていると光の近くまで来た。

「この辺だね…」

シオンちゃんは小声で話しかけて来る。

私も自然と無言になり、こくりと頷いた。


「お帰り、父さん。」

すると少し先の家ど扉から青年と父さんと呼ばれたロングコートを着たおじさんが立ってるのが見える。


小声でシオンちゃんが「あの男の子かな…?」

と聞いてくる「多分…」私はそう答えた。

話してると青年がチラッとこちらを見た気がした。

「父さん先に入っててくれ、俺少し外の空気吸ってくるよ。」

気のせいではなかった。

青年がこちらに向かって話しかける

「何のようだ?何回も言っているが俺は悪魔と契約はしない。」

「ち、違うの!ただどんな子が気になって見に来ちゃったの…ね?アイちゃん」

シオンちゃんは慌てて飛び出した。

すると青年は驚いた顔をした。

「初めて見る顔だな…。俺が知ってるのマモルという黄色の目をした奴と、ソラという紫の目をしたやつだったな…。で?違うと言っていたが二人は何の用だ?」

「あ、あのね!この戦いにはね7人参加してるって聞いて7人目はどんな子だろうって気になって見に来ちゃったの!ね?アイちゃん!」

私はコクリと頷く。

「ふーんなるほど?でオレンジの目の君は?何て言う名前なんだ?」

「あっ!私の名前はシオン!よろしくね?」

「あぁ、シオン、アイ、よろしくな。俺はユニだ。」

少し沈黙があって、ユニが質問してきた。

「なぁ、二人は悪魔と契約したんだろ?何で契約したんだ?教えて欲しい。」

私とシオンは顔を合わせた。

そして、シオンちゃんの口が開く。

「私はね、石の中にある悪魔に急に名前を教えろって言われて、教えちゃって契約する事になったの…」

結構無理やりなんだ…。私の悪魔とは違うけど悪魔によっても性格の違いとかあるのかな…?

「そうか…で?アイ。君は?」

「私…私は、最初は名前が無くて契約出来なかったんだけど、悪魔が『名前なんて飾り』って言われて契約に関係するって思わなかったんだけど、シオンちゃんに名前を決めて貰った時に、何も守る物も失う物もないから、いっその事契約してしまおうと思って…だから契約したの…」

シオンちゃんは少し驚いた顔をしていた。

ユニは顎に手を当て「守る物か…」と呟いた。

「ユニ君はどうして悪魔と契約してないの?アイちゃんと同じ名前知らない?」

シオンちゃんは不思議そうに尋ねる。

「いや…名前はユニと言ってるだろう?名前が知らないんじゃない…。ただ…俺にはお父さんがいる。家族がいる。だから契約するか迷っているんだ。契約すれば人を殺す事になる…。息子が人を殺したと知ったら…きっとお父さんは悲しむ…。だから契約してないんだ。」

すると悲しそうにシオンちゃんは答える。

「そうだよね…家族はきっと悪魔と契約する事なんて望んでいないもんね…。」


「その話、聞かせて貰ったよ。」

暗闇の向こうから声が聞こえた。


続く

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