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Abandoned Night 7話

他の子達に見つからないように、変な大人に見つからないように、こっそりシオンちゃんの元へ行く。


最初は石の見方が難しかったが、少し慣れてきた。一人一人色が違っているみたいで、シオンちゃんは目の色がオレンジだったから、オレンジだろうか…。他にピンク、紫が見える…


私の色は赤らしい。


そう考えているうちに、シオンちゃんの近くに来た。


目を凝らして辺りを見渡すとシオンちゃんは垣根の近くにしゃがんで隠れていた。


そっと肩を叩くとビクッとしてシオンちゃんが振り返って来たけれど、私を見て少し安心した顔をした。


「なんだぁ、アイちゃんかぁ~。ビックリした~」

私がシオンちゃんの事を殺してしまうかもしれない事を考えてないのだろうか…。


安心した顔を見せたのもつかの間。すぐに申し訳なさそうに「昨日はごめんね…」と謝ってきた。


「…どうして、謝るの?」

思わず聴いた。シオンちゃんは何も悪い事をしていないと思う。多分。


「だって…だって昨日、アイちゃんがマモル君を殺すまで何も出来なかったから…見ていたら、怖くなって、すぐ逃げちゃったから…」

シオンちゃんは小声で震えながら私に伝える。


「アイちゃんは、その後大丈夫だった?怪我とかしてない?」

「…うん。大丈夫。」

嘘をついた。

大丈夫なんかじゃない。

マモルという人を切ってからずっと感触が手に残っていて気持ち悪い。

何度も何度も手を拭いても消えない気持ち悪さが何なのか、胸のモヤモヤが何なのか聴きたかった。

でも、今は大丈夫と言わないと安心出来なかった。何故か分からないけれど…。


「良かったぁ…。安心した!だって、イツキ君が目の前で死んじゃって、その後にマモル君を殺してミラちゃんに狙われていたから、アイちゃんが無事か心配してたの…!」


シオンちゃんは何処まで見ていたんだろう。


シオンちゃんにそう言われてから少しスッキリした気がする。

確かに目の前で人が死んでいくのは初めて見た。全て初めてだった。


あのおばあちゃんに赤い石を貰うまでは。


でも、不思議と怪我はしてない…。してないに越した事はないけれど…。


私が無言のせいか凄いシオンちゃんが心配そうにみている。


「…シオンちゃん。私は平気だよ。」

そう言うしか無かった。


笑顔が下手だから伝わるか分からないけれど、シオンちゃんはきっと私の親みたいに殴らないと何故か思えたから…笑ってみた。


シオンちゃんは暗闇の中でも分かるぐらいの優しい声で「良かったぁ…!これからもよろしくね?アイちゃん!」

手を差し出された。絵本で見たことある…。

私も恐る恐る手を出すと、そっと優しく包み込んでくれた。

「…暖かいね」

「えっ?」

「…シオンちゃんの手…凄く暖かくてビックリした。」

「えへへ…!ありがとう!」

シオンちゃんみたいな人は初めてだ。

こんな私に優しくしてくれる。意味もなく。

不思議。

今日は一人になるのが何故か怖かった。

だからシオンちゃんに頼んでみた。

「あの…もし迷惑じゃなければ、今日から一緒にいても良い…?」

シオンちゃんは少し考えた後に「もちろん!」と言って

「アイちゃん私の妹みたいで可愛い!二人でいたら見つかりやすくなっちゃうかもしれないけれどよろしくね?アイちゃん!」

私はそんなに年下に見えるだろうか…

でも悪い気はしなかった。

「…うん。よろしく。」

そう言って二人で手をつないで夜の闇を歩き始めた。

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