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Abandoned Night 4話

夜景を見ているとマモンは言った。

『お前の武器は鎌だ。武器をどうするかはお前次第だ。今からどうするつもりだ。ここにいてもすぐに見つかる。』

「もう少しここにいさせて…ねぇあそこだけ何で暗いの…?他の地面はキラキラ輝いているのに。」

『あれは海だ。そしてあの赤い細長いのがポートタワーだ。』

「…詳しいんだね。ありがとう。」


何で悪魔なのに、この街の事詳しいの?と聴こうとしたが飲み込んだ。


しばらく夜風にあたっていると、後ろから二人の話し声が聞こえてくる。

暗くて私達には気づいていないみたいだ。


「ねぇ…本当に上手く行くんでしょうね…?失敗したら承知しないわよ。」

「あぁ…俺の言った通りにすれば上手く行くはずだ。イツキが契約したのは暴食の悪魔だ。あいつを放っておくといつか地球ごと食われちまう。」

「でもイツキが持っている石の場所が分からないと意味が無いじゃない。どこにあるか検討はついているの?」

黄色い瞳をした男の人とピンクの目をした女の人が話している。


黄色い瞳の男の人はスカーフの様に首に巻いている所に石があるのが見えた。


「それは…」

黄色い目をした男の人がためらっていると

「お困りの様だね。お二人さん。」

声のした方を見ると、前に出会った青年ソラが立っていた。


「貴方は確か色欲の悪魔と契約した…ソラね。私に何か用?」

「暴食の悪魔の石の場所を知りたくないかい?」

「…その口ぶりだと知っている様だな。一体どこにあるんだ。」

「まぁまぁ、焦らないでよ。これは僕の考えだ。あのイツキというちびっ子は暴食だろ?悪魔の力で何でも食べられる。だから石だって食べちゃったんじゃないかなって思うんだ。」

ソラは得意げに言っているけど本当だろうか、イツキという子はどんな子なんだろう…。


「なるほど…そういう事か…なら俺に考えがある」とソラの考えを聞いて、黄色い瞳をした男の人が答えようとしたが、遮ってソラが「ちょっと待ってよ。僕は情報を教えたんだ。何か教えてくれても良いんじゃないかい?」

「…私に向かって、教えて欲しいですって?“教えてください”って言いなさいよ!まぁ良いわ、次から気を付ける事ね。で、何が目的なのよ。」

「二人の石の場所を教えて欲しいんだ。」

二人は一瞬戸惑った。

「仕方ねぇな…俺はこのチョーカーの真ん中についてるぜ。」

「教えるのは癪だけど、仕方ないわね…私はここ。ブレスレットにしているの。」


「ふぅん。そうなんだ。これでいつでも殺せる準備が出来たわけだ。でも、今殺したら面白くないから今は辞めとくね。それじゃあ僕はもう行くよ。」

フフッと笑うとソラは夜の闇に溶け込むように去っていった。


私はどうする事もどうしようと思った訳でもないのでこのまま隠れる事にした。


「で…?マモル、さっき言いかけていた事はなんなの?」

「俺の武器は弓だ。それに火をつけて、火あぶりにしたらイツキの体から石が出てきてそれを壊せるんじゃないかって思ったんだ。」

「ふーん。貴方にしては賢いんじゃない?まぁ私には及ばないけど…。で、肝心のイツキはどこにいるか分かっているの?」

「あぁ、前からお菓子をあげて餌付けみたいな事していたからな。今日もここに来るはずだぜ。そこで今日はミラ。お前がお菓子をあげろ。そして俺が遠くから狙い打つ。」

「なるほどね…私があげて怪しまれないかしら?まぁ良いわ。やってみてあげる。」


その時だ。


暗闇の向こうから「マモルお兄ちゃーん!」と呼ぶ声が聞こえてくる。


「じゃ、俺は行く。後は任せたぞ。ミラ。」


ガサゴソ音がして草むらの方を見ると緑の目をした少年が来た。

見た感じ私と同い年っぽい。

これから一体どうなるんだろう…。


「あれ?マモルお兄ちゃんは…?そこのお姉さん…えっと黄色い目をしたお兄ちゃん知らない?」

「えぇ、知ってるわよ。マモルなら用事があって来れないみたいなの。その代わり私がお菓子をあげる。」

「本当?!やったー!僕すごくお腹が空いてたんだ!」

イツキらしき少年は目を輝かせている。

その時ミラと呼ばれていたピンクの瞳の女の人がすっと手を挙げて一歩下がった。

その瞬間、火のついた矢が飛んできたと思うとイツキらしき少年に突き刺さる。

緑の目を丸くし自分に何が起こっているか理解する間もなく炎につつまれる。

「熱いっ!助けて!お姉ちゃん!」

「嫌。私、自分に利益が無い人とは関わりたくないの。」

ミラは冷たく言い放つ。

「ヤダッ!僕まだ死にたくない!どうして…!どうして…!僕は普通にお菓子を食べたかっただけなのに!普通に生きたいだけなのにっ…!」


「普通。ね…もう手遅れよ…貴方は誰にも愛されなかった。ただそれだけ。」


イツキは炎の中で泣き叫ぶ。


ミラは何かを諦めているかの様に下を向く。

私はどうする事も無くただ炎を見つめていた。

その炎はなんだか少し暖かかった。


続く

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