Abandoned Night 2話
しばらくして、私は近くの薄暗い路地裏にいた。
鳥頭の男は太陽が苦手らしく、昼間は赤い石の中にいるみたいだ。
私も太陽があまり好きじゃない。
眩しくて、暑くて、白い光に包まれるみたいで嫌だ。
早く夕方になって欲しい。
私に話す相手などおらず、ビルとビルの隙間から通り過ぎる人を観察するしかなかった。
…それにしても色んな人がいる。
走っている人、電話しながら歩いている人、下を向きながらトボトボ歩いている人。
皆違う…不思議…。
二人ぐらい同じ人がいても良いのに
人を観察しているとあっという間に夕方になった。
時間が過ぎるの早いな…。
すると、いつの間にか出てきたのか鳥頭の彼が後ろにいた。
『お前は今から何をするつもりなんだ?』
何も考えていなかった…考えてないというよりは考える暇なんてなかった。
そんな時だ
「君は巻き込まれた側かい?それとも望んだ側なのかな?」
路地裏の奥から、黒い服を身にまとった金髪の紫の目をした男の人が現れた。
男の人の言っている事はよく分からなかった。でも後ろの鳥頭の彼は鎌を男の人に向けていた。
「あぁ、自己紹介をしないとだね。初めまして。僕は…ソラ。」
自己紹介をしたかと思えば、ソラと名乗る男の人はつらつらと話し出した。
「僕はこの中学校に通うごく普通の中学生だよ。ところで、さっきの質問に答えてもらおうかな。いや、うーん。やっぱり僕が生き残る事以外興味ないや…そして…君の名を聞くまでも無いね。どうせ戦うんだ。知ったと所で君は死ぬ。そう僕の手によってね。」
そう言って彼は槍を空間から引き抜き私に向かって突進してくる。
本能で危ないと分かったが足が動かない。思わず目をつむったが、彼の攻撃は届く事は無かった。
恐る恐る目を開けると鳥頭の男が大きな鎌を構えて私をかばっていた。
「なぜだ?なぜ悪魔が主を守る…?悪魔は力を貸す代わりに戦いへの関与を一切禁止されているはずだ。」
ソラが独り言の様に呟くと、後ろから牛のような、羊のような、人のような姿をした何かが現れて言った。
『彼女たちはまだ契約を結んでいないように思われます。』
そう聞くとソラはフンっと鼻をならし冷たく言い放つ。
「なるほど。良い操り人形を見つけたのに契約をする前に殺されたら話にならないもんね。…そして、そこの赤い目をした女の子は賢いのか馬鹿なのか分からないけど、石を持っているのに名前を教えてないのか…。面白いじゃないか。」
そう言ってソラは闇の彼方へ消えて行った。
「今のは…どういう事…?」
鳥頭の男に聞いても答えてくれない。
「私が貴方に名前を教えたらどうなるの…?」
鳥頭の男はゆっくり口を開いて答える。
『もしお前の名前を知ったら契約した事になる。これは自分の願いを叶える為の戦いだ。お前、あの老婆に言われなかったか?まぁ良い。後、俺は悪魔だ。人間じゃない。』
鳥頭の男…いや…悪魔はそう答えた。
契約…?何の事だろうか…?確か石を貰った時に約束とか言ってたきがする。
なるほど…さっきソラが言ってた事も少し分かった気がする…。
私は多分巻き込まれた側だ。
色々と考えているうちに頭がクラクラしてきた…。
私は、街のうるさい音楽や眩しいライトを避けるように目をつむった。
続く




