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Abandoned Night 15話

気づけばもう夜だ。


酔っ払いの人たちも段々居なくなってきた。


周りはすっかり静かになってきている。


その時、コツ…コツ…と足音が聞こえて来た。と思えばミラが高い所へ飛ばされた。

ガシャーンと窓が割れる音が聞こえる。

向こうを見るとユニが歩いて来た。


「こんばんは。アイ。質問がある。シオンは死んだのか…?」


私は静かに頷いた。


「そうか…また守れなかったのか…俺は大事な人を2回も…」

ユニは下を向いて聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。


その時、上の方から銃声が聞こえて来た。

ミラがユニを狙ってきている。


ユニは少しやられていたが何とか武器で抵抗しようとしている。


「…どうして、ミラに攻撃しないの?」

私は気になった事を聞いた。

ユニは必死になって答える。

「シオンと約束したからだ…もう守る意味はないかもしれないが、俺が今、守れるのはそれぐらいなんだ…」

ユニの中でシオンちゃんがいるようだ…なんでだろう。もういないのに…。シオンちゃんには会えないのに…。

しばらく鳴っていた銃声が止んでミラが飛び降りて来た。

その時、ミラが咳き込む。私は少し心配になったので近づくとミラの手には血がついていた。

吐血したらしい。

「…大丈夫?」

「ふんっ…私の心配をするなんて生意気ね…。人の事より自分の心配をしなさい…。」

すると対面していたユニがじゃらりと武器を下したのが分かった。

「そうだよな…どれだけ許せない人がいたとしても、その人にも思ってくれる人がいるんだ…俺には今…いない…皆、死んだんだ…。」

ユニは悲しそうに諦めたかの様に呟いた。

「…アイ。石が壊れればその持ち主は死ぬんだな?」

「うん。そうだよ…。」

ユニは優しく微笑む

「そうか…ありがとうな…アイ。俺はもう疲れたよ。」

ユニはポケットから石を取り出して地面に思いっきり叩きつける。

儚く笑いながら消えてゆくユニを私とミラは見守る事しか出来なかった。


消えたユニを見守ってミラがゆっくり立ち上がる。

「行きましょ…人が来る前に…朝が来る前に」

私はミラの手をにぎり歩き始めた。


しばらく歩いて私たちは海についた。

少し空が明るくなってきている。


でも何か変だ。そうださっきからミラが一言も喋って来ない。

気になってミラの方を見ると驚いた。

ミラの顔に鱗のような物か生えて来ている。

「どうして…何が悪いってのよ…」

ミラが苦しそうに呟いたと思うとまた吐血した。

「ミラ…ミラ…大丈夫…?ねぇ、どこにもいかないで…私を置いていかないで。」

なんだかミラが消えてしまいそうで急に怖くなった。

その様子を見てミラは苦しそうに笑いながら言った。

「私はどこにも行かないわよ。アイにはアイの道があるじゃない。独りになったんじゃない未来へ向かって進んだ。それだけの事よ…」

そう言ってまたミラは吐血をした。

ミラがしゃがみこんだかと思うと「痛い!痛い!」と顔を押さえて叫びだした。

その時、強い風が吹く。

するとハラハラと鱗になったミラが消えて行った。


『限界だったみたいだな。』

久しぶりにこの声を聴いた気がする。振り返ると私と契約した悪魔が立っていた。

「…どういう事?」

『彼女は人を殺して石を手に入れたと言っていただろう?本当は彼女が悪魔になるべきでは無かったんだ。素質はあったが体が耐え切れなかったんだな。』

私は何も言えなかった。

『石を持ってる人は悪魔の候補に選ばれた人。日々を過ごしているうちに、戦っているうちに悪魔としての力は増して行く。彼女はそれに耐えきれなかったんだ。』

気づけば頬が濡れている。

あぁ、私まだ泣けたんだ。でもどうして泣いているんだろう…?

『なんだ、泣いているのか。私は人の思いは理解できない。ただ、今言える事は泣いている場合では無いという事だな。』


悪魔は静かに私の後ろの方を見た。

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